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 目に見えないものを「見える」ようにする――。これまで分からなかった出来事や詳細を把握するのにとても有効な手法だ。だがこうしたアイデアは形にするのに手間暇がかかり、ビジネス上の実効性も担保されていないため企業活動からは生まれにくい。

 愛好家の出番だ。2020年10月3~4日に東京ビッグサイトで開催された電子工作などの開発者が集まるイベント「Maker Faire Tokyo 2020」では、目に見えないものを可視化するデモが人気を集めていた。

LEDでパケットの流れを示す

 人気を集めたデモの1つが東京工業大学の学生である麻生航平氏が開発した「パケットが光る!LANケーブル」である。パケットとはネットワークにおいてデータを運ぶ入れ物のことだ。

 教科書で仕組みを知っていても実際にどうパケットが動いていくのかは頭の中でのイメージしかない。それを可視化した点が人気の秘密だ。使うのはLANケーブルに沿わせるように配置したLEDストリング(ひも状にLEDを並べたもの)だ。

パケットが光る!LANケーブル
パケットが光る!LANケーブル
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 これが流れるように光る。光るLEDの位置を動かしてネットワークを流れるパケットの動きを表現した格好だ。光の動く方向で通信の向きを、色でプロトコルを表現している。

 この装置を使うと、例えばWebブラウザーを利用してサイトにアクセスすると、まずDNSで名前を解決して、次にIPアドレスを基にMACアドレスを調べるために使うプロトコルである「ARP」などを使ってWebサイトとの通信を確立し、TCPで通信するといった手順を視覚的に確認できる。

 麻生氏はこの作品を通じて、情報通信研究機構(NICT)が主催するセキュリティー関連技術開発の指導プログラム「SecHack365」における、2019年度の優秀修了生となった。