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 ソフトウエア開発のユニリタは、スキー場のリゾート施設向けに人流データを解析するサービスの実証実験を開始した。ホテル内での来場者の密集状態を計測して、新型コロナウイルスの感染リスクを抑制するための「3密」状態の回避や施設の経営効率化に役立てる。Go Toキャンペーンなどで観光業界の需要に回復の兆しが見えつつあるなか、ウィズコロナ時代に向けてノウハウを蓄積する考えだ。サービスの有効性が確認できれば、駐車場やスキー場など他の場所も計測対象にすることを検討している。

 東急リゾーツ&ステイが運営する「ホテルタングラム斑尾東急リゾート」で2021年1月下旬まで実施する。ホテルのロビーやレストラン、浴場の入り口にカメラを設置。各エリアの密集状態を画像解析技術でリアルタイムに計測し、スマートフォンのアプリや施設内のデジタルサイネージを通じて可視化する。さらに過去の統計データや施設の予約情報、天候情報なども組み合わせて各エリアの将来の混雑状況を予測する。こうして得られたデータを、施設のスタッフ配置やレストランの食材ロスの削減などに役立てる。

ホテル内に設置したカメラ。右上はフロントの様子
ホテル内に設置したカメラ。右上はフロントの様子
(出所:ユニリタ)
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カメラの映像を画像分析して判断
カメラの映像を画像分析して判断
(出所:ユニリタ)
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 実験には、ユニリタ子会社でモビリティー向けIoTサービスを手掛けるユニ・トランドと、スキー場向けアプリを開発するユキヤマも参加する。ユニ・トランドがカメラなどの設置とデータ収集を、ユキヤマはアプリやサイネージを通じたデータ可視化を担当。ユニリタが、集めたデータの解析とそれを基にした事業運営情報の予測を行うという役割分担だ。実験ではユニリタのデータサイエンティストが手動で予測モデルを作成するが、将来的には予測の自動化も視野に入れているという。

各エリアの混雑状況をリアルタイムに通知する画面(左)。過去の統計データや天候情報なども組み合わせて混雑状況を予測・可視化する
各エリアの混雑状況をリアルタイムに通知する画面(左)。過去の統計データや天候情報なども組み合わせて混雑状況を予測・可視化する
(出所:ユニリタ)
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 ユニリタは金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム向けソフト開発の事業が安定収益源だ。企業の基幹システムでは今なおメインフレームが多く使われており、競合企業は撤退済みなので残存者利益を享受している。2020年3月期はメインフレーム事業が全売上高の約2割に当たる22億2200万円を稼ぎ、同事業の売上高営業利益率は約51.4%と驚異的な高さを誇る。