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 順天堂大学は遠隔地にいる患者の様子を3次元で確認できるオンライン診療システムを開発した。オンライン診療は対面診療と比較して得られる情報が少ないと指摘されている。実用化されればオンライン診療で得られる情報を増やすことができそうだ。

開発した3次元オンライン診療システム
開発した3次元オンライン診療システム
(出所:順天堂大学)
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 今回開発したのは米Microsoft(マイクロソフト)のモーションスキャナー「Kinect v2」とヘッドマウントディスプレー「HoloLens」を利用したシステム。複合現実(Mixed Reality)の技術を用いている。

 患者と医師の近くにモーションスキャナーを設置し、それぞれがヘッドマウントディスプレーを装着する。スキャンされたお互いの姿がディスプレー上に投映され、同時に会話もできる。

 順天堂大学の研究グループは今回、開発したシステムを活用してパーキンソン病患者の運動症状を確認した。パーキンソン病患者の診療では、症状の度合いや治療の効果を判定するのに患者の姿勢や手のひらの開閉具合、歩行など運動症状を確認する。

 「2次元の場合は一方向からの動作しか分からず動きを推定する必要があるが、3次元だと奥行きのある動作をよく把握できる」と順天堂大学大学院医学研究科神経学准教授の大山彦光氏は説明する。

 パーキンソン病患者100人を対象に開発したシステムを活用して運動症状のスコアを確認したところ、対面で評価した場合と相関が高いことが分かった。「対面診療の代わりとして評価に利用できる可能性がある」(大山氏)とする。研究グループは2020年9月14日、研究成果をMovement Disorders誌に発表した。