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 帳票ソフトウエアの開発などを手掛けるウイングアーク1stはこのほど、日経クロステックの取材に対して、本社オフィスの3分の2を返却し、2020年11月から新オフィスを開設する計画を明らかにした。

 同社は現在、テレビ東京やDMMグループなどが入居する「六本木グランドタワー」(東京都港区)の35階と36階に合計で約1500坪のスペースを借り本社オフィスとしている。このうち35階の約1000坪を2020年12月中に返却。残る36階の約500坪を改装して新オフィスとする。

 コロナ禍を受けて、オフィスの床面積を減らしたり移転したりする企業が相次いでいる。こうしたなか、ウイングアーク1stは減床を選んだ。本社オフィスの契約期間は2018年1月から2022年12月の5年。契約期間が2年残っているため、貸し手に違約金を支払わなければならない。その規模は数億円に上るもようだ。なぜ解約を急ぐのか。

「働き方先進企業」を目指す

 同社の田中潤社長兼CEO(最高経営責任者)は次のように抱負を語る。「これまではリアルがメインだったが、今後はリモートワークを中心にリアルを組み合わせて働き方先進企業を目指したい」。直近の出社率は数%にすぎないこともあり、「契約期限まで空のオフィスを維持しても意味がない。オフィスの3分の2を早く返して、新しい働き方にシフトすることにした」(田中社長)。

 リモート中心の就業にかじを切るのは、コロナ禍を受けたリモートワークで仕事のアウトプットの質や量が低下しなかったことが大きい。2020年3月以降、数回にわたり実施した社員調査でも、ほとんどの社員がリモートワーク環境に適応し、好意的に受け止めていた。

 同社は2020年5月、政府の緊急事態宣言解除後も原則リモートワークでの業務を基本とすることを決定した。これに伴い、在宅勤務で社員に生じる経費の負担軽減などを目的とした月額9000円のリモートワーク手当ての支給を始めた。自宅でのインターネット回線の開設費用も会社で補助するようにした。こうした手当ての充実化も、リモートワークへの円滑な移行を促したようだ。

返却する35階(1000坪)のレイアウト
返却する35階(1000坪)のレイアウト
(出所:ウイングアーク1st)
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35階の執務スペース(2020年10月1日時点)
35階の執務スペース(2020年10月1日時点)
(出所:ウイングアーク1st)
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