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 フランスRenault(ルノー)は、日産自動車が開発を主導する電気自動車(EV)専用プラットホーム(PF)を採用した車両を2021年末までに量産する。SUV(多目的スポーツ車)タイプのCセグメント車で、日産の新型EV「アリア」と主要部品を共用する。

 ルノーは20年10月15日に会見を開き、新型のコンセプトEV「Megane eVision」を初披露した(図1)。同社CEO(最高経営責任者)のLuca de Meo(ルカ・デメオ)氏は「これはほんの始まりにすぎない」と語り、日産とPFを共通化したEVを広く展開していく意向を示した。

図1 ルノーの新型コンセプトEV「Megane eVision」
図1 ルノーの新型コンセプトEV「Megane eVision」
20年10月15日に会見を開き、同社CEOのルカ・デメオ氏が初披露した。(出所:ルノー)
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 ルノーと日産、そして三菱自動車による日仏3社連合は、車両開発の効率を高める目的で「リーダーとフォロワー」という枠組みを導入したと20年5月に発表している。ある会社がリーダー企業になった場合に、他の2社がフォロワー企業となってリーダー企業を支援するものである。

 C/DセグメントのEV開発は日産がリーダー企業となり、他の2社の支援を受けながら、マザー車両(リーダー企業の車両)とシスター車両(マザー車両をベースとする派生車)を開発する。25年までに日仏3社連合の車両の2分の1を、リーダー/フォロワーの枠組みで開発・生産する計画だ。

 日産のアリアやルノーのMegane eVisionが採用するのが、「CMF-EV」と名付けたEV専用の新PFである(図2、3)。ルノーが今回のコンセプト車の発表に合わせて公開した資料から、CMF-EVの部品配置や特徴が分かってきた。

図2 日産が開発を主導したEV専用PF「CMF-EV」
図2 日産が開発を主導したEV専用PF「CMF-EV」
日仏3社連合で使っていく方針である。画像の左が前輪側で、電動パワートレーンを搭載する。(出所:ルノー)
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図3 日産の新型EV「アリア」
図3 日産の新型EV「アリア」
21年中ごろに発売する予定。(撮影:日経Automotive)
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 目を引くのが、エンジンのような形状にした電動パワートレーンだ(図4)。実はこの形状、日産の量産EV「リーフ」の電動パワートレーンを踏襲したもの(図5)。モーターと減速機、インバーターを一体化した電動アクスルの上に、車載充電器やDC-DCコンバーターなどを内蔵したモジュールを配置する。

図4 Megane eVisionの電動パワートレーン
図4 Megane eVisionの電動パワートレーン
形状は日産リーフの電動パワートレーンを踏襲したとみられる。(出所:ルノー)
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図5 日産リーフの電動パワートレーン
図5 日産リーフの電動パワートレーン
エンジンのような形状にした。PDM(Power Delivery Module)は、充電器とDC-DCコンバーター、DC-DCジャンクションボックスから成る。(撮影:日経Automotive)
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 この電動パワートレーンはエンジンと同様にフロントフード下に搭載し、前輪駆動を基本とする。ホンダやドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン)などが開発したEV専用PFが後輪駆動を基本とするのとは対照的だ。