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 NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクが2020年10月23日、5G(第5世代移動通信システム)に対応した米Apple(アップル)の新型スマートフォン「iPhone 12」シリーズの2機種を発売する。携帯電話会社にとって新型iPhoneは最大のドル箱商品だ。日本におけるスマホの年間出荷台数シェアで、iPhoneは今なお5割近くに及ぶ。それだけに、新型iPhoneの登場に合わせた大手3社による販売キャンペーン合戦は毎年秋の風物詩とも言える。

 だが2020年のiPhone商戦は、例年と少々異なる様相を見せている。カメラやプロセッサーなど端末本体の性能向上もさることながら、今回は通信事業者との協調に基づく新機能に見所があるからだ。

 先に仕掛けたのはKDDI 。2020年10月16日に東京都内で開いた記者会見で高橋誠社長はiPhone 12の特徴についてこう述べた。「アップルと通信事業者がここまで徹底的にチューニングしたのは初めてに近いのではないか」――。

iPhone 12の発売に向けた新施策を発表するKDDIの高橋誠社長
iPhone 12の発売に向けた新施策を発表するKDDIの高橋誠社長
(出所:KDDI)
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5Gと4GをiPhoneが自動選択

 高橋社長の言う「徹底的なチューニング」とは何か。それは単に端末が5G方式で通信できるというだけでなく、5Gらしい顧客体験の提供に向け、端末と通信事業者のネットワークインフラとを密に連携させるという取り組みも指す。このアップルとの取り組みを踏まえ、KDDIはiPhone 12を発売する10月23日から、新たに2つのネットワーク機能を導入する。

 1つは、アップルが「スマートデータモード」と呼ぶ回線制御機能だ。モバイル通信の世界では、データ通信の高速化に伴って端末のバッテリー消費も増えてしまう悩みがつきもの。スマートデータモードでは、アプリケーションに高速・大容量のデータ通信が必要な場合は5G、その必要がなければ4Gに自動的にiPhoneが通信方式を切り替える。

 この新機能により5Gの高速通信と長時間のバッテリー駆動との両立を図るという。アップルは5Gのグローバル展開で各国の大手通信事業者と密接に連携しているといい、その中にKDDIのほかNTTドコモやソフトバンクが含まれるため、スマートデータモードについてもドコモとソフトバンクも対応する可能性がある。

5Gと4Gを自動的に切り替えて電力消費量を抑える「スマートデータモード」
5Gと4Gを自動的に切り替えて電力消費量を抑える「スマートデータモード」
(出所:KDDI)
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