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 コニカミノルタが事業モデルの転換を急いでいる。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、主力の企業向け複合機事業が大きな打撃を受けているためだ。2020年10月9日に開催した事業説明会では、山名昌衛代表執行役社長兼CEO(最高経営責任者)が変革への決意を表明。併せて、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援やデジタルヘルスなどの新規事業について、コロナ禍で新たなニーズが生まれていると強調した。複合機をはじめとする既存事業に代わり新規事業を垂直立ち上げし、業績に力強さを取り戻せるか。

 「当社は写真事業からは撤退こそしたが、様々な領域でイメージングを磨き続けて、多様な“みたい”に応えてきた。コロナ禍でも画像やエッジコンピューター、IoT(インターネット・オブ・シングズ)、ディープラーニングなどを組み合わせ、見えないものを見える化することで価値創造を図っていく」。山名社長はそう語り、コロナ禍でも自社の存在意義は揺るぎないとの考え方を示した。

コロナ患者の肺を見える化、重症化を予防

 実際、同社が2020年春の新型コロナウイルス感染拡大以前から展開していた3つの新規事業領域で、コロナ禍以降に新たなニーズへつながった事業が複数あるとする。

コロナ禍で複合機関連の売り上げが低迷するなか、3つの新規事業では新たなニーズを取り込めているとする
コロナ禍で複合機関連の売り上げが低迷するなか、3つの新規事業では新たなニーズを取り込めているとする
(出所:コニカミノルタ、以下同)
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 第1がヘルスケア事業だ。同社は2017年に遺伝子診断の米Ambry Genetics(アンブリー・ジェネティクス)や製薬会社向け創薬支援の米Invicro(インヴィクロ)を立て続けに買収するなどして、ヘルスケア事業を強化している。

 新型コロナ対策としては、米Microsoft(マイクロソフト)と共同で新型コロナ患者の肺のX線画像を蓄積するなどの取り組みを推進。新型コロナの重症患者が併発しやすい肺血栓塞栓症や、重症化につながりやすい基礎疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)を高精度で診断し、医療現場で新型コロナ患者が重症化する前に対策を講じやすくしている。「X線動画技術による見える化が新型コロナ対策に大きく役立っている」(藤井清孝専務執行役)。

 このほか新型コロナ関連では、チャットボットによる問診やパルスオキシメーターによる新型コロナ患者の容体測定、X線動画を使った肺機能の可視化などにより、医師や看護師の感染リスクを回避しながら患者に対応できるようにしている。