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 サントリーホールディングス(HD)は全世界のITインフラをパブリッククラウドの「Amazon Web Services(AWS)」に移行するプロジェクトを進めている。既に移行が一段落した日本では、ITインフラコストを従来比で25%削減できる見込みだ。アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)が2020年10月27日に開催した報道陣向けオンライン説明会で明らかにした。

AWS移行プロジェクトの全体像
AWS移行プロジェクトの全体像
(出所:サントリーホールディングス)
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 サントリーHDの城後匠BPR・IT推進部部長は「サントリーはグローバルで事業展開しているが、日本や米国など各地域にIT組織があってITインフラも運用も統合されていない状況だった。今後はAWS上にシステムを統合してグローバルで一体的に運用できるようにする」と述べた。

クラウド移行と同時に買収先のシステム運用も統合

 移行プロジェクトは2017年末ごろに決定。その後、基盤やパートナーの選定、人材育成などの事前準備に時間をかけた。サントリーHDは海外での企業買収を積極的に展開しており、米ビーム サントリーなどを傘下に収めてきた。「クラウド移行と同時に、買収先のシステム基盤を統合するのもプロジェクトの大きな目的。そのためにビームのIT部門のメンバーも加えてあるべきITの姿を議論するのに時間をかけた」(城後部長)。

 その過程でクラウド基盤としてAWSを選択した。「検討当時に基幹情報システムの稼働で最も実績があった」(同)のが最大の理由だ。サントリーHDは日本の基幹システムや、海外子会社で採用が多い欧州SAPのERP(統合基幹業務システム)パッケージを含むシステムを全てクラウドに移行しようとしており、AWSが最適だと判断した。パートナーにはAWSに強いシステムインテグレーターのクラスメソッドを選んだ。

日本におけるAWS移行のスケジュール
日本におけるAWS移行のスケジュール
(出所:サントリーホールディングス)
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 日本では2017年ごろから、消費者向け販促関連のシステムなど繁閑の波が大きいシステムを中心に先行してAWS上で稼働させる取り組みを始め、ノウハウを蓄積した。そして2019年4月から世界に先駆けて、日本で既存システムの移行を開始。2020年8月までに完了し、従来のオンプレミスのデータセンターは解約した。