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 同じx86アーキテクチャーを採るマイクロプロセッサー(MPU)のメーカーである米Intel(インテル)と米AMD(Advanced Micro Devices)の競合が激しさを増している。直近では、2020年10月31日(米国時間)に米Intelが、22年ぶりに単体のGPUチップ「Intel Iris Xe MAXグラフィックス」(以下、Iris Xe MAX)を発表した*1。AMDの方が優位なGPU市場で巻き返しを図る狙いがある。

単体のGPUチップ「Intel Iris Xe MAXグラフィックス」
単体のGPUチップ「Intel Iris Xe MAXグラフィックス」
Intelの写真
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 ただし、両社の競合において、現在、勢いがあるのはAMDの方だ。AMDが新製品のMPUの製造委託先を米GLOBALFOUNDRIESから台湾TSMCに変更して*2、最先端プロセスでMPUを製造しているのに対して、Intelは自社プロセス微細化につまずき、後れを取っているからだ。このため、Intel CEOのRobert Swan氏は公の場(20年7月のオンライン決算発表)において、自前プロセスにこだわらないことを明言せざるを得なくなった*3

 AMDは、追い打ちをかける。IntelがIris Xe MAXを発表する4日前(米国時間20年10月27日)にFPGAメーカートップの米Xilinx(ザイリンクス)を買収することで同社と合意したと発表した*4。これでサーバー向けMPU「EPYC」の事業の強化などを図る。Intelがサーバー向けMPU「Xeon」の事業強化に向けて当時FPGAメーカー2位の米Altera(アルテラ)を買収して5年たつが、AMDはIntelとの距離を着々と縮めている。今後AMDの攻勢が続き、Intelに追い付き、追い抜く事態が訪れるのか。結論を先に述べると、そう簡単にIntelがAMDにトップの座を明け渡すことはないだろう。Intelが過去約60年の歴史で培った顧客対応力がまだAMDに備わっていないからだ。

Xilinxの買収によってAMDが得る効果
Xilinxの買収によってAMDが得る効果
AMDのスライド
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