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 「新型コロナの影響で運動不足になった社員の健康管理に活用したいという引き合いが非常に多い」(東芝 CPSxデザイン部 新規事業推進室の米澤実室長)――。東芝は生活習慣病の発症リスク低減に向けて、生活習慣の改善策を提案するAI(人工知能)を開発した。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)として提供し、パートナー企業とともに2021年4月のサービス開始を目指す。将来はパートナー企業と連携して健康データバンクの構築を狙う。

AIが生活習慣の改善策を提案する
AIが生活習慣の改善策を提案する
(出所:東芝)
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 企業は医療費削減や労働生産性向上の観点から、従業員の生活習慣病対策に取り組んできた。しかし新型コロナウイルスの影響で外出の機会が減って運動不足になる人が増加し、生活習慣病患者の増加が懸念されている。企業はこれまで以上に効果的な生活習慣病対策を求めるようになっているという。

 東芝が開発した生活習慣改善AIは、健康診断の結果を基に具体的な生活習慣の改善策を提示することで、生活習慣の見直しを促す。これまでも生活習慣病の発症リスクを予測するAIは存在したが、「発症リスクだけ提示されても何をしたらいいか分からない」「具体的な改善策を提案してほしい」という要望に十分対応できていなかった。

 具体的な改善策を提示できるように東芝は、保健指導の指標にも使われる体重に注目した。東芝グループの従業員とその家族を合わせた数十万人の健康診断データなどから、「体重と検査結果」「体重と生活習慣」の関係を解析。各疾患のリスクを下げるための体重減少目標と、体重減少を達成するための生活習慣の改善策を提案するアルゴリズムを開発した。

 生活習慣改善AIに直近の健康診断結果を入力すると、5年先までの生活習慣病の発症リスクをAIが数値で提示する。その結果を基に、体重もしくは発症リスクの低減目標を入力すると、「遅い時間の夕食を週3日にする」「日常の歩行を1時間程度にする」といった生活習慣の改善案が提示される。個人の価値観や生活リズムを尊重するために、変更したくない生活習慣項目を設定することもできる。