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 企業が成長を続けていくために、業界を問わずDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要不可欠だという認識が広まり始めて久しい。そんな中注目されるシステム開発手法が少量のコードで開発するローコード、コードを書かずに開発するノーコードだ。開発を効率化するローコード、ノーコードは開発の市民化(非IT部門によるシステム開発)を助ける手法としても注目される。

コロナ禍の在宅勤務に寄与

 ヨネックスは2018年10月にドリーム・アーツのローコード開発基盤「SmartDB」を採用し、業務のシステム化を進めている。特徴的なのは情報システム部門ではなく、事業部門が自ら開発を行う点だ。

 関東地域の小売店や問屋への営業を担う営業センターは「加工指示書」を、自分たちの手でシステム化した。営業センターは小売店を介して消費者からの注文を受け、テニスやバドミントンのユニホームへチーム名や背番号を名入れする。小売店からの注文を加工工場へ送るため、営業センターで情報を整形したものが加工指示書だ。従来は加工指示書を作成、送付するための手続きが標準化されておらず、指示書の様式も紙やExcelファイルなど担当者ごとにバラバラだった。

ヨネックス情報システム部の高柳卓士システム運用課長兼システム開発課長
ヨネックス情報システム部の高柳卓士システム運用課長兼システム開発課長
(出所:ドリーム・アーツ)
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 システム化後は、Webフォームに必要な情報を入力すると加工指示書が生成され、ワークフローで関係者に回覧する手順となった。Web上で手続きが完結するようになったことと、業務の標準化に成功したことが成果だ。各部門のシステム化をサポートするヨネックス情報システム部の高柳卓士システム運用課長兼システム開発課長は「コロナ禍で在宅勤務する社員が増えたが、システム化したことにより在宅で業務ができるようになった。従来のように加工指示書を紙でやり取りしていたら難しかっただろう」と振り返る。

 営業センターでシステム化した加工指示書作成、送付の仕組みは全国に5カ所ある営業拠点にも展開した。システム化したからこそ、他部署へ即座に展開できるメリットも享受できた。全国で見た場合「月何十時間という単位で業務工数を削減できたはずだ」(高柳課長)という。