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 ぬいぐるみのような布をかぶったタブレット端末に「住民票を取りたい」と、マイクを使って話しかけると「区民課が担当窓口です」と音声が返ってきた。画面には窓口までの地図が表示されている。東京都杉並区役所に2020年11月10日、そんなコミュニケーションAI(人工知能)「ロボコット」が登場した。

 自律走行で庁舎内を案内する誘導ロボットと合わせて、2020年11月27日まで実証実験中だ。区役所がコミュニケーションAIや誘導ロボットを導入しようとするのはなぜか。

総合案内業務をコミュニケーションAIが代替

 ロボコットはロボット開発・販売のタケロボが開発した。実証実験では、総合案内の機能をどこまで代替できるかを確かめる。

 杉並区役所1階には委託業者スタッフが常時5人いる。1人が総合案内に常駐し来庁者に行き先を案内するほか、4人はフロア内に立ち、歩いて来庁者を目的の窓口まで誘導する。ロボコットが担うのは、総合案内における来庁者への行き先案内業務だ。

ロボコットは親しみやすいように、キャラクターの顔を画面に表示している
ロボコットは親しみやすいように、キャラクターの顔を画面に表示している
撮影:日経クロステック
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 通常の総合案内では、来庁者は来庁の目的をスタッフに告げ、スタッフは窓口を口頭で案内したうえで、地図を示して場所を案内するケースが多い。ロボコットは、これと同様の案内を1台でこなす。

 具体的には、来庁者はタブレットの画面の「質問する」にタッチしてから、マイクを使って口頭で質問する。「トイレはどこですか」といった具体的な場所を尋ねるだけではなく、「婚姻届を出したい」「印鑑証明が欲しい」といった、来庁目的から質問することでも回答を得られるのが特徴だ。

 ロボコットは、クラウド上のデータベースやAIと接続している。あらかじめ、杉並区役所の案内でよくある質問やその回答約1200件をデータベースに登録し学習させた。自動翻訳機能があり、英語、中国語、韓国語での対応も可能だ。