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 日産自動車は2020年11月12日、20年度通期(20年4月~21年3月)の業績見通しを上方修正したと発表した。当初(20年7月時点、以下同じ)計画では7兆8000億円の売上高と4700億円の営業赤字を見込んでいたが、売上高は当初計画に比べて1400億円増加の7兆9400億円、営業赤字は同1300億円減少の3400億円とした。世界販売台数も、同4万台増加の416万5000台を計画する。

 世界販売台数を前年度より増やすことに加え、20年5月に発表した事業構造改革を断行することで固定費を減らし、通期計画の達成を目指す。同日に開いたオンライン会見で同社社長兼CEO(最高経営責任者)の内田誠氏は、「20年度通期の業績は上方修正したが、当社はまだ大きな赤字を抱えている。現状を謙虚に受け止め、少しでも良い結果を出せるように全力で取り組む」と強調した(図1)。

内田誠氏
図1 日産自動車社長の内田誠氏
(オンライン会見の画面をキャプチャー)
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 20年度通期の営業赤字は当初計画より縮小するが、20年度上期(20年4~9月)の営業赤字は1588億円である。20年度下期(20年10月~21年3月)は、さらに1800億円を超える営業赤字を計上することになる。上期よりも下期に赤字幅が拡大することについて内田氏は、「固定費の削減は予定通りに進めるが、下期には世界で3車種の新型車を発売する計画であり、多額の広告宣伝費などを投入することが影響する。日本でも新型小型車を発売する」とした(図2)。

新車の投入計画
図2 新車の投入計画
(出所:日産自動車)
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 国内自動車メーカー7社のうち、20年度通期に営業黒字を計画するのはトヨタ自動車とホンダ、スズキ、SUBARU(スバル)の4社で、日産とマツダ、三菱自動車の3社は営業赤字を見込む。ただ、これら3社の中でマツダの赤字額は400億円、三菱自の赤字額は1400億円であり、日産の赤字額は突出する。「新車投入によって販売台数を増やしながら、販売収益改善に向けた固定費の削減は一切の妥協なく進める」という内田氏の覚悟が改めて問われる。