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 大和ハウス工業が千葉県印西市の千葉ニュータウンに大規模なデータセンター(DC)団地を構築する。北総鉄道北総線の印西牧の原駅を最寄りとする場所に最大15棟のDCを設ける。完成すれば、東京ドーム約7個分に当たる総延べ床面積約33万平方メートル、IT機器への最大供給電力が600メガワット(MW)となる国内最大級のDC団地が誕生する。

 新プロジェクト「千葉ニュータウンデータセンターパークプロジェクト(仮称)」は大和ハウスが2020年10月5日に発表した。大和ハウスが2018年に千葉県とUR都市機構から工業団地の用地として取得した42万平方メートルのうち、約23万5000平方メートルをDC団地として使用する。10月15日に、1棟目となる5階建て、延べ床面積2万6000平方メートルのDCを着工。11月16日には1階建て、延べ床面積が5000平方メートルとなる2棟目も着工した。いずれもオーストラリアのDC事業者であるAirTrunk(エアトランク)向けだ。エアトランクにとっては初めての日本進出となる。1棟目の竣工予定は2022年3月。一方2棟目は、1棟目よりも規模が小さいので2021年9月の竣工を予定している。

オーストラリアのエアトランクが計画しているデータセンターの完成イメージ
オーストラリアのエアトランクが計画しているデータセンターの完成イメージ
(出所:エアトランク)
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 プロジェクトで計画する最大15棟のうち、7棟がエアトランク向けだ。大和ハウスとエアトランクが共同出資する合同会社が建物を保有し、エアトランクの日本法人に貸し出す。大和ハウスの更科雅俊東京本店建築事業部事業部長は「複数の海外企業と話をしたが、エアトランクが最も我々の身近な距離にいた」と話す。

 一般的にDC業界では、DC事業者が自ら施設を保有するニーズが高い。しかし大和ハウスでは、単に施設を売却するのではなく、共同事業のような形にしてDC開発の知見を蓄積したいと考えていたという。その背景には、米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)や米Microsoft(マイクロソフト)、米Google(グーグル)といった大手クラウド事業者を中心とする大規模DCへの旺盛な需要がある。日本はクラウドの利用が遅れている分、将来的に市場規模が大きく拡大することが見込まれているからだ。更科事業部長は「デジタル庁の発足や5G(第5世代移動通信システム)、新型コロナウイルスによる企業のリモートワーク利用などで今後も大きな需要が期待できる」と話す。

 こうしたクラウド利用の需要を見越して、千葉ニュータウン周辺では英Colt Group(コルトグループ)や米Digital Realty Trust(デジタル・リアルティ・トラスト)、米Equinix(エクイニクス)、三井不動産などが続々とDCを新設している。同地域は安定した地盤に位置するなど、BCP(事業継続計画)の観点でもDCの立地に適しているからだ。このような状況において知見の蓄積を目指す大和ハウスと、日本進出に向けてパートナーを探していたエアトランクの思惑が一致したという。