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 全国2万5000台強のATM(現金自動預け払い機)を軸に独自のデジタルサービスを展開するセブン銀行。年間取扱額は約120億シンガポールドル(約9300億円)、FinTech分野で世界をリードする存在としても知られるシンガポールDBS銀行。この両行が国際送金事業で協業する。

 世界約50カ国を結ぶDBS銀行の個人顧客向け送金ネットワークを利用し、セブン銀行の子会社であるセブン・グローバルレミットが外国人労働者向け国際送金サービスを提供していく。セブン銀行のATMから専用のスマートフォンアプリにチャージし、DBS銀行のネットワークを通じて送金。海外の受取銀行から引き出せる。今冬にもベトナム向けにサービスを開始。その後、タイ、フィリピン、インドネシア、中国などに展開する。DBS銀行の独自ネットワークを利用するため、送金手数料はセブン銀行の既存サービスより最大30%程度引き下げる予定(ベトナム向けは現在700~2300円)。

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 セブン銀行は2011年から国際送金サービスを提供しており、2019年度の年間送金件数は約121万件。2014年度の約63万件からほぼ倍増した。手数料収入は21億8300万円(2019年度)に達する。順調に推移しているにもかかわらず、なぜ新たに国際送金サービスを提供するのか。課題視していたのは、短期滞在の外国人労働者への対応だ。

 セブン銀行の国際送金サービスを使えるのは、同行の口座を持つ利用者のみ。外為法は口座開設に6カ月以上の国内滞在が必要としており、利用できるのは永住・定住する外国人に限られていた。だが近年、技能実習生を中心に短期滞在の外国人労働者が増えており、「商品性のミスマッチが課題として浮上していた」とセブン・グローバルレミット代表取締役の植木康晴氏は話す。そこで短期滞在者でも利用できる送金サービスの提供を狙い、セブン・グローバルレミットを資金移動業者として2019年6月に設立した。