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 総務省は2021年秋にも、マイナンバーカードの所有者がコンビニエンスストアで電子署名用パスワードの初期化(ロック解除)や再設定をできるようにする。カード所有者は市区町村の窓口へ出向き職員に初期化を依頼する手間がなくなる。

 総務省が2020年5月に始めた10万円の特別定額給付金のオンライン申請では、マイナンバーカードに搭載した電子署名を使うために6~16桁の英数字のパスワード入力が必要だった。しかしカード所有者がパスワードを忘れたり、5回連続で誤入力してロックされたりしたため、市区町村の窓口に初期化や再設定の依頼が殺到した。再設定に使うシステムも遅延して窓口の混雑に拍車をかけた。

 その教訓を基に総務省はコンビニで電子署名パスワードの初期化などができる仕組みの導入に踏み切る。デジタル・ガバメント閣僚会議にあるワーキンググループで2020年11月10日に公表した。

スマホアプリとマルチコピー機の2ステップ

 新たな方法は2ステップから成る。まずカード所有者がスマートフォンのアプリをダウンロードする。アプリにマイナンバーカードの4桁の暗証番号を入力したうえで、カードのICチップに記録された顔写真画像とスマホのカメラで撮影した顔写真を照合して本人確認を行う。本人確認が済むとワンタイムパスワードを取得できる。

 次のステップで最寄りのコンビニに出向く。全国に約3万3000台あるコンビニのマルチコピー機に4桁の暗証番号とワンタイムパスワードを入力すると、パスワードの初期化などができる。手続きに必要なアプリについては新規開発するか、既存のマイナポータルアプリなどに機能を追加するかを今後検討するという。

マイナンバーカードのパスワード初期化・再設定イメージ
マイナンバーカードのパスワード初期化・再設定イメージ
(出所:総務省)
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 マイナンバーカードに搭載した電子署名は実印相当の法的効力があるとされ、利用者に対して厳格な本人確認が必要だ。現在は市区町村の窓口職員が対面で本人だと確認して初期化する必要がある。2021年秋からはスマホやコンビニのマルチコピー機があればいつでもパスワードの初期化ができる。

 総務省は新たな方法で4桁の暗証番号と顔認証を併用する本人確認の仕組みを採用する。顔認証は一定の確率で他人を本人と誤認する可能性があるためだ。これは2021年3月からマイナンバーカードを健康保険証の代わりに使う際の「PIN(暗証番号)なし認証」とは異なる方法だ。