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 滋賀銀行が2024年1月に勘定系システムを全面刷新する。総額200億円を投じ、富士通製から日立製作所製のシステムに切り替える。同行は勘定系システムの共同化も検討したが、自営を続けることを決めた。少子高齢化や超低金利などで地方銀行の収益環境は年々厳しさを増している。それでも自営を貫く理由はどこにあるのか。

滋賀銀行本店
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 「自分の城は自分で守る。システムは経営戦略を実行するための大事な基盤だ」。滋賀銀行の前田昌治総合企画部副部長Flexsusプロジェクトプロジェクトマネージャーはこう力を込める。Flexsus(フレクサス)は勘定系システムの刷新プロジェクトの名称で、FlexibleとSustainableの造語。同行はFlexsusに「柔軟で持続可能な経営基盤に刷新する」という思いを込めた。勘定系システム刷新計画は2020年9月末に発表した。

 滋賀銀行が勘定系システムの全面刷新を決断した理由は、システムの老朽化にある。1988年に第3次オンラインシステムを稼働させてからプログラムの修正を繰り返した結果、システムの規模が膨れ上がり、中身も複雑になった。ステップ数は約1500万に達し、稼働当初と比べて倍ほどになっていた。「勘定系システムと連携する機能を開発しようにも、影響確認テストに時間を要するため、半年かかることもあった」(前田副部長)。

 さらに、1988年の稼働から30年以上が経過し、当初の設計思想などを知る人材も行内にわずかしか残っていなかった。滋賀銀行の中島浩之執行役員システム部長兼総合企画部サステナブル戦略室参与は「(勘定系システムを全面刷新するなら)ラストチャンスのタイミングだった」と振り返る。

日立製システムの採用を決断

 勘定系システムを全面刷新するにあたり、まず滋賀銀行はこれまでのように自営を貫くか、それとも共同化システムに切り替えるかを検討した。

 有力候補だったのが、千葉銀行などが参加する「TSUBASAアライアンス」による勘定系システムの共同化だ。滋賀銀行は2019年5月にTSUBASAアライアンスへ参画してもいる。しかし同行はアライアンスの枠組みに参加したものの、勘定系システムの共同化は採用しなかった。