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 製造業にとって情報収集と商談の大きな機会である各種の展示会や見本市。新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下新型コロナ)の感染対策などの影響で、これらが「リアル」ではなく「オンライン」開催を余儀なくされている。いわゆる“第2波”が収まった2020年秋以降はリアル展示会の開催を試みるケースも散見されたが、“第3波”が始まり、新型コロナの完全な収束が見えない現段階ではオンライン展示会主流の状況はしばらく続きそうだ。

JIMTOFオンラインのホームページ
JIMTOFオンラインのホームページ
(出所:JIMTOF)
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 国内最大、世界的にも最大級の工作機械展示会である「日本国際工作機械見本市」(JIMTOF)*1もオンライン開催を余儀なくされた。工作機械は製造業の中で最も「リアル」を重視する現場で活用される。そんな製品の展示会をどうやって実現できたのか。2020年11月16日〜27日に開催され、先ごろ幕を閉じた「JIMTOF 2020 Online」(以下、JIMTOFオンライン)*2の開催状況や出展者の声からオンライン開催のリアルを探ってみたい。

*1 ドイツとイタリアで交互に開催される「欧州工作機械見本市」(EMOショー)や米国の「国際工作機械見本市」(IMTS)と並び、「世界3大工作機械見本市」の1つとされている。
*2 世界9カ国・地域から394社(国内370社、海外24社)が出展した。2020年12月11まではアーカイブを公開している。チャットやアンケート機能は利用できないが、出展者の展示は見られる。

来場や見学がとても簡単で楽

 JIMTOFオンラインの最大の特徴は「来場」や「見学」がとても容易なことだ。ホームページにアクセスして入場登録すれば、すぐに各企業のブースを見られる。「出展者エリア」コーナーから「工作機械」や「精密測定機器 光学測定機器 試験機器」、「制御装置およびコンピュータシステム」などのエリア別にのぞくもよし、「出展者一覧」コーナーから企業名で検索するもよし。「新製品発表会」コーナーでは出展者のブースをランダムに表示して、偶然の出合いを生む工夫も凝らしている。

「出展者エリア」コーナー
「出展者エリア」コーナー
(出所:JIMTOF)
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「新製品発表会」コーナー
「新製品発表会」コーナー
(出所:JIMTOF)
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 当然と言えば当然だが、とにかく「疲れない」。例年のように満員の列車に揺られて会場まで赴き、広大な会場を歩き回る必要がない。目当てのブースを探して担当者を捕まえなくてもいい。各企業の製品の特徴や仕様をざっと把握し、目当てのブースを見て回るのにはそれほど時間はかからない。オフィスで仕事をしながら見学できるのは、オンラインならではのメリットだろう。在宅勤務中なら、合間に休憩や散歩を入れて気分転換できるし、就寝前などにリラックスしてザッピングするような訪問も可能だ。

「デジタルツインショールーム」のバーチャルツアー
「デジタルツインショールーム」のバーチャルツアー
DMG森精機が展示している、同社の伊賀グローバルソリューションセンタをデジタルツインで再現した「デジタルツインショールーム」の仮想空間を、マウス操作で移動できる(出所:DMG森精機)
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 動画やバーチャルツアーなど、オンラインならでは展示を楽しめるのも魅力だ。例えば、DMG森精機は、同社の伊賀グローバルソリューションセンタ(三重県伊賀市)をデジタルツインで再現した仮想空間「デジタルツインショールーム」をJIMTOFオンラインで披露している。来場者は、3D CGで構築された同センタ内をマウス操作で移動し、ショールーム内にある45台の工作機械のカタログをダウンロードしたり、製品紹介の動画を見たりできる。