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 スマートウオッチの利用を通じ、ここ数年でユーザーの活動量や睡眠状態などを可視化して改善をアドバイスするサービスが一般化してきた。スマートウオッチなどの活動量計が狙う次の領域が「心(メンタル)」だ。人間の幸福は、肉体的な健康だけでなく、心の健康抜きには実現し得ない。心の状態もスマートウオッチなどが内蔵するセンサーのデータによって可視化し、改善を促す。いわば、心の健康のDX(デジタルトランスフォーメーション)である。

 2020年8月27日、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)は健康管理サービス「Halo」を発表した(図1)。スマートフォンと連携する腕輪型端末「Halo Band」を利用し、活動量や睡眠状態などのモニタリングができるほか、声のトーンでメンタル状況を推定する「Tone」と呼ばれる機能を搭載する。ユーザーの声から「ポジティブ」の度合いなどを分析できるという。

図1 HaloアプリとHalo Band
図1 HaloアプリとHalo Band
(出所:Amazon.com)
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 10月2日には、世界最大規模の睡眠データを持つ米Fitbit(フィットビット)が、スマートウオッチの新モデル「Sense」を発売した(図2)。注目の機能が、人間の精神状態を推定できる皮膚電気活動(EDA)センサーなどを利用した「ストレス管理」である。同社によれば、Senseは「世界初のEDAセンサーを搭載したスマートウオッチ」だという。

図2 Fitbitの「Sense」
図2 Fitbitの「Sense」
皮膚電気活動(EDA)を測定するセンサーを搭載し、ユーザーのストレス管理などを支える。(出所:Fitbit)
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 スマートウオッチではないが、米国ではメンタルヘルスを改善するためのアプリの市場も大きく伸びている。メンタルヘルスと瞑想(めいそう)に特化した、米Calm(カーム)が代表例だ。ユーザーはスマホアプリを利用して呼吸法などを実践することで心身の健康を維持できるという。同社は新型コロナウイルスの感染拡大前から注目を浴びており、ユニコーン(未上場で時価総額が10億ドル以上のベンチャー企業)の仲間入りを果たしている。

 Fitbitインターナショナルヘルスソリューション担当副社長兼アジア太平洋地域ゼネラルマネージャーのSteve Morley氏は、「心身の健康を守る支援を通して人間の幸せを目指す」と話す。もともと同社は睡眠データ、歩数などの活動量などを収集・可視化することで、ユーザーの生活を支援してきた。「ストレス管理」によって、ユーザーにさらに寄り添ったサービスを提供できるようにするという。