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 「Amazonプライムとネットフリックスをセットにした5G(第5世代移動通信システム)プランだ。最強の組み合わせではないか」――。こんな掛け声が会場にむなしく響いた。KDDI(au)が2020年12月9日に発表した新料金プランについてだ。

新たな料金プランを発表するKDDI副社長の東海林崇氏
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新たな料金プランを発表するKDDI副社長の東海林崇氏
(出所:KDDI)

 同プランは、KDDIがかねて力を入れる「サービスがネットワークを選ぶ時代」という5G時代のコンセプトを具現化したもの。データ使い放題の5Gプランと人気のネットサービスをセットにし、コンテンツやサービスを気兼ねなく楽しめるようにした。5Gとコンテンツのセットプランは海外の主力通信事業者も採用しており、5G時代のプランとして時流に沿ったものといえる。

 だがタイミングが悪すぎた。前週にNTTドコモは月額2980円(税抜き、以下同)で月20Gバイトまで利用できるという破格値のプラン「ahamo」を発表した。その直後であるにもかかわらず、KDDIがこの日発表したプランは、ahamoへの対抗策になっていなかったからだ。

 同日会見したKDDI副社長の東海林崇氏は「ドコモの月2980円のプランは、市場に一定のインパクトがあるだろう。しかしサービスの全体設計が分からず、詳細なコメントは控える」と述べるにとどめた。こうしたKDDIの発表内容に対して、ネットを中心に「期待はずれ」「プランが分かりにくい」という声が噴出。KDDIは地雷を踏んでしまった感がある。

 記者もソーシャルディスタンスが保たれた会場内で、東海林氏のプレゼンを聞いていた。だが正直、その内容に前時代的な雰囲気を感じてしまった。それはドコモのahamoが料金水準のみならず、プランのあり方を含めてこれまでの日本の携帯料金の秩序を一新してしまったからではないか。

「ahamo後」は従来料金が前時代的に、ドコモ自身も苦しめる?

 ドコモのahamoが、発表直後から消費者に好評である理由は、料金水準が破格値というだけではない。料金プランが1つだけで複雑な割引条件なども一切ない、このうえなくシンプルなプランになっている点がある。

格安プラン「ahamo」を発表するNTTドコモ社長の井伊基之氏
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格安プラン「ahamo」を発表するNTTドコモ社長の井伊基之氏
(出所:NTTドコモ)

 これまでの携帯大手の料金プランは、家族割や固定回線とのセット割、さらには1年や6カ月など期間限定の割引が複雑に絡み合っていた。携帯各社は割引を最大限適用した最安値を連呼するものの、利用者の実際の支払いは最安値とならないケースも多い。こうした携帯各社の姿勢に対し、利用者の不信感が高まっていた。

 ドコモのahamoは、こうした不信感を一掃した。家族割や固定とのセット割などの条件がまったくない状態で、月額2980円で20Gバイトまで使える料金を実現した。だからこそ多くの消費者の支持を集めている。