全2002文字
PR

 自治体専用の商用ビジネスチャットツールを使う自治体が新型コロナ禍で急増している。電話やメール、対面での会議を前提とした働き方を改めるだけでなく、災害時の情報収集などにも効果があるという。パソコンやスマートフォンを通してコミュニケーションする相手は異なる自治体の職員にも及び、既に情報共有や議論が活発に行われている。

 自治体に急速に普及しているビジネスチャットツールとは、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクの「LoGoチャット」である。提供開始は2019年9月で、基本的に2021年3月31日までトライアルとして無償で使える。

 トライアルで利用中の自治体数は2020年10月31日時点で549自治体と、全自治体の約3分の1に上る。ユーザー数は27万4192人である。トラストバンクは利用料を公表していないが、本誌推定で1人当たり年間数千円とみられる。

トライアル利用に参加する自治体数の推移
トライアル利用に参加する自治体数の推移
トラストバンクの資料を基に日経クロステック作成
[画像のクリックで拡大表示]

緊急事態宣言で広まる

 LoGoチャットはなぜ自治体に急速に広まったのか。理由は2つある。

 1つは国や自治体間を結ぶ閉域網であるLGWAN(総合行政ネットワーク)とインターネットの両方で利用できる点だ。トラストバンクはLoGoチャットをLGWAN上のASPサービスとして提供している。一般企業で使うビジネスチャットツールのように、自治体職員はパソコンやスマートフォンを使ってチャットしたりファイル共有したりできる。

LoGoチャットのパソコンとスマホアプリの画面
LoGoチャットのパソコンとスマホアプリの画面
(出所:トラストバンク)
[画像のクリックで拡大表示]

 2つめが新型コロナ禍だ。茨城県つくば市は2020年初めに情報システム部門である政策イノベーション部情報政策課でLoGoチャットのトライアルを始めたところで、新型コロナウイルスの感染が拡大した。2020年4月7日からの緊急事態宣言下では職員が在宅勤務となり、職員同士が連絡を取るITツールとしてLoGoチャットの利用が増えたという。