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 瞑想(めいそう)など1つのことに集中し心を落ち着かせる取り組みとして、近年広がりをみせている「マインドフルネス」。瞑想や自分の思いの書き出しといったマインドフルネスの手法を支援するアプリの提供が相次いで始まった。足元では新型コロナウイルスの感染拡大によって生活様式ががらりと変わってストレスを感じる場面が多くなるなか、マインドフルネスの支援アプリは普及するか。

感じたことを書き出し、AIがフィードバック

 ミッドナイトブレックファスト(東京・渋谷)は2020年12月9日、AIがユーザーの感情を分析するアプリ「muute(ミュート)」の提供を開始した。日々感じていることや思っていることを書き出していくマインドフルネスの手法「ジャーナリング」をアプリ上でユーザーにしてもらい、その文書をAIが解析しフィードバックの文章を表示する。

 「ジャーナリングは『書く瞑想』ともいわれており、メンタルセルフケアの一種として欧米をはじめ世界で活用が広がっている」。同社の岡橋惇muuteプロダクトデザイナーはそう説明する。

 muuteはSNS(交流サイト)のようなユーザーインターフェース(UI)でユーザーが文章や写真を自由に投稿できるほか、「気持ち」と「何についての投稿か」についてそれぞれ3つまでアイコンで選択する。ユーザーは自身の投稿を時系列に表示するだけでなく、アイコンで表現した「気持ち」や「何についての投稿か」を基に投稿をまとめて検索したり表示したりできる。

muuteでジャーナリングの際に選択できるアイコンもAIが感情を分析する際のポイントの1つになる
muuteでジャーナリングの際に選択できるアイコンもAIが感情を分析する際のポイントの1つになる
(出所:ミッドナイトブレックファスト)
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 AIによるフィードバック機能は、ユーザーが投稿した文章や感情、アイコン、投稿時の位置情報など数十のポイントをAIが分析し、文章を作成して表示するものだ。

 文章の内容は季節の挨拶で始まり、ジャーナリングの投稿頻度や内容などについてコメントするほか、「優しい言葉をかけて提案をするような内容になっている」(同)。AIは数千万パターンの文章を作成できるといい、「ユーザーが飽きないように分析結果から文章を作成する際に構成を変える工夫をしている」(同)とする。

 muuteはもともと、1990年代中盤以降に生まれ幼少期からインターネットやスマートフォン、SNSなどが当たり前にある環境で育ってきた「Z世代」をターゲットとして開発をスタートしたという。

 ただ一般的なSNSと異なり、muuteは他のユーザーの投稿を閲覧する機能を持たない。岡橋氏は「Z世代が生きる現在は、他人に自分の情報を見られるのが当たり前になっている。他人の目が気にならないmuuteをZ世代の本音の受け皿にしたい」と語った。