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 特殊詐欺の被害が後を絶たない。警察庁の発表によると2019年の特殊詐欺による年間被害額は315.8億円、認知されている被害件数は1万6851件で、「依然として高い水準の被害が発生している」(警察庁)という。最近では信用させて現金を振り込ませる「振り込め詐欺」だけでなく、自宅にキャッシュカードを直接取りに行ってだまし取るなど、手法が巧妙になっているのが特徴だ。

NTT東西が開発した特殊詐欺対策サービス用の通話録音機能付き端末
NTT東西が開発した特殊詐欺対策サービス用の通話録音機能付き端末
(出所:日経クロステック)
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 被害を受けるきっかけの一つが、自宅の固定電話への着信だ。現状を重く見たNTT東日本とNTT西日本は共同で、2019年5月から特殊詐欺対策サービスの開発に乗り出した。1年半ほどの実証実験や開発を経てできたのが、特殊詐欺の被害を防止する「特殊詐欺対策サービス」と「通話録音機能付き端末(特殊詐欺対策アダプタ)」だ。2020年11月27日に発表した。NTT東西の住宅用電話サービスの利用者が対象で、対策サービスと端末を月額440円(税込み、初期費用が別途必要)で提供する。

特殊詐欺対策サービスの概要
特殊詐欺対策サービスの概要
(出所:NTT東日本、NTT西日本)
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 同サービスを利用する基本的な流れは以下の通りだ。まず電話がかかってくると電話線につながっている通話録音機能付き端末が起動して、「通話内容を録音している」という趣旨のガイダンスを電話をかけてきた相手に向けて流す。その後、端末につながっている電話機の着信音が鳴る。電話に出ると、通話内容の録音が始まる。録音した通話の内容はNTT東西のクラウドサービスに送信され、「特殊詐欺解析AI」で解析。会話の内容が特殊詐欺と疑われる場合は、本人や家族などにメールや電話で警告の連絡をする、というものだ。