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 スズキが2020年12月4日に発売した背高ワゴンタイプの新型小型車「ソリオ」は、前部バンパー部材(フロント・バンパー・メンバー)に高張力鋼板を適用して衝突安全に対応した。先代車では同部材に軟鋼を使っていたが、新型車では高張力鋼板に変えて注)、前面衝突に対する安全性能を高めた。(図1)。

注)スズキは、前部バンパー部材に使用した高張力鋼板の強度を公表していない。

ソリオ
図1 背高ワゴンタイプの新型小型車「ソリオ」
(撮影:日経Automotive)
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 新型車は先代車と同様に、Aセグメント向けの新プラットフォーム(PF)「ハーテクト」を使用した。アッパーボディーも先代車と同様に、同PFに基づく軽量・高強度ボディー骨格を適用した。

 そのため、前部バンパー部材以外の高張力鋼板の使い方は、基本的に先代車と同じである。側面衝突時の衝撃で乗員室を変形させないために、引っ張り強さが980MPa級の高張力鋼板(冷間プレス材、以下同じ)をセンターピラーに使った。

 サイドシル前部(前席部分)やフロントピラー、車両前部のフロア・クロス・メンバーも980MPa級である。主に前席部分の骨格を強化したのが特徴だ。ルーフ・サイド・レールやフロントフレームなどには、440MPa級と590MPa級を適用した。(図2)。

先代ソリオのボディー骨格
図2 先代車のボディー骨格
新型車では、前部バンパー部材を高張力鋼板に変えた。スズキの資料を基に日経Automotiveが作成
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 新型車のボディー骨格への高張力鋼板の使用比率(質量比、以下同じ)を見ると、980MPa級の比率が約16%、高張力鋼板全体(440MPa級~980MPa級)は約51%である。前述したように、新型車のボディー骨格への高張力鋼板の使い方は先代車と大きく変わらないため、その使用比率も先代車とほぼ同じになっている。