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 デジタルトランスフォーメーション(DX)に「成功した」と認識している日本企業はわずか「6.6%」――。アビームコンサルティングの調査から、このような実態が明らかになった。

 同社は2020年12月14日、「日本企業のDX取り組み実態調査」を公表した。売上高1000億円以上の日本企業に所属するDX推進の意思決定に関与する515人(部長職以上)を対象に、10~11月にかけてアビームコンサルティングがアンケート調査を実施したもの。

 回答者の自己採点が90点以上を「成功」、70点以上90点未満を「中間」、70点未満を「失敗」と定義したところ、自社がDXに成功しているとの認識を示した日本企業の割合は全体の6.6%にとどまったという。

「DXに成功した」と認識している日本企業の割合は全体の6.6%にとどまる
「DXに成功した」と認識している日本企業の割合は全体の6.6%にとどまる
(出所:アビームコンサルティング)
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 アビームコンサルティングの斎藤岳戦略ビジネスユニット長執行役員プリンシパルは「取り組むテーマによらず多くの企業がDXに苦戦しているのが見て取れる。特にオペレーション改革や働き方改革での成功率が低い」と指摘した。

 DXに関する取り組みの達成度についても調べた。成功企業と失敗企業で取り組みに大きな差が見られたのが、「全社員へのデジタル教育」「デジタル知見を有した経営陣による意思決定」「デジタルとビジネス・業務知見を有した推進組織の設置」の3つだ。最も差が大きかったデジタル教育について斎藤執行役員は、「経営者が『DXだ!』と声高に言うだけでは現場(社員)と温度差が生じやすい」と指摘。DXを成功させるには「教育や変革の意識付けが重要となる」と説明した。

成功企業と失敗企業で「全社員へのデジタル教育」の取り組みの差が最も大きかった
成功企業と失敗企業で「全社員へのデジタル教育」の取り組みの差が最も大きかった
(出所:アビームコンサルティング)
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