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 日本でもスマホネーティブの「デジタルバンク」が誕生する。ふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下のみんなの銀行が2020年12月22日、銀行業の営業免許を取得した。みんなの銀行は2021年5月に本格的な事業開始を目指す。LINEの新銀行が開業を延期する見通しが強まるなか、日本のデジタルバンクは地銀が先行することになりそうだ。

 2020年12月22日午後、金融庁の大臣室。みんなの銀行頭取を務めるふくおかFGの横田浩二取締役執行役員は、麻生太郎金融相から銀行業の営業に関する免許書を受け取った。ふくおかFGが悲願のデジタルバンクの本格展開に向けて、大きく前進した瞬間だった。ふくおかFGはスマホであらゆる手続きが完結するデジタルバンクを2017年頃から検討していた。

麻生太郎金融相から免許書を受け取るみんなの銀行の横田浩二頭取(左)
麻生太郎金融相から免許書を受け取るみんなの銀行の横田浩二頭取(左)
(出所:金融庁)
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グーグルのクラウドを採用

 みんなの銀行は従来の銀行の常識にとらわれない存在といえる。銀行業務を支える勘定系システムは、アクセンチュアと組んで、マイクロサービスアーキテクチャーに沿って内製している。従来は実績のある勘定系パッケージを使うケースが多い。2019年春には、ふくおかFG子会社でシステム開発などを手掛けるゼロバンク・デザインファクトリーを設立していた。

 勘定系システムの動作基盤には、米グーグルのパブリッククラウドである「Google Cloud」を採用した。日本の銀行が勘定系システムのプラットフォームにグーグルのパブリッククラウドを活用するのはみんなの銀行が初めてとなる。

 横田取締役は今春に日経クロステックの取材に応じた際に、「我々のアジャイル開発の体制と極めて親和性が高かったのがグーグルのクラウドだった」と説明した。分散型リレーショナルデータベース(RDB)で、離れたリージョン(データセンター群)間でデータをリアルタイムに同期できる「Cloud Spanner」の存在も大きかったという。