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 パナソニックは小型低速ロボットを使った住宅街向け配送サービスの公道走行実証実験を公開した。住民の声を反映しながらサービスを開発し、「都市OS」にデータを蓄積してサービスの質を向上させることも予定する。スマートシティーが新たなサービスを生み出す場となっている。

住民との共創でサービスを開発

 実証実験の場所は、2014年4月に「まちびらき」した神奈川県藤沢市のスマートシティー「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(FSST)」だ。パナソニックが開発した長さ1.15メートル、幅0.65メートル、高さ1.15メートルの小型低速ロボットが街中を自律走行する。

パナソニックがFSST内の住宅地で走行実証中の小型低速ロボット
パナソニックがFSST内の住宅地で走行実証中の小型低速ロボット
(撮影:日経クロステック)
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 2020年11月25日から走行検証を進めており、遠隔監視・操作型の自律配送ロボットが住宅街を走行するのは日本で初めてという。敷地内の離れた建物からモニターで人が監視し、横断歩道や自律移動で回避が困難な場合にはロボットを遠隔操作する。

 12月24日までの第1弾の実証実験は技術検証と課題抽出が目的だ。2021年2~3月を予定する第2弾ではFSST内の家庭向けにロボットによる配送サービスを試験的に実施し、非対面での荷物の受け渡しなども検証する。「2021年度には小型低速ロボットによるサービスを有償で提供できるようにしたい」とパナソニック・マニファクチャリングイノベーション本部ロボティクス推進室の安藤健総括は話す。

 具体的には、ユーザーがスマホアプリなどで配送先や時間を予約し、ロボットが近隣の店舗を買い回り、注文した商品をユーザー宅に届けるといったサービスを想定している。FSSTには現在約2000人が居住しており、子育て世代の30~40代も多い。住民にアンケートを実施したところ、複数の店舗を買い回るのが大変だという声が上がった。

 「小型低速ロボットによる配送サービスは、まだどんな形のサービスがユーザーにとって価値が高いのかを試行錯誤している段階だ。FSSTの住民にヒアリングしたところ、ロボットによる貢献価値が最も高そうなのが買い回りの代行だった。あくまでスタート地点であり、やはり別なサービスのほうがいいとなるかもしれない。FSSTの住民の皆さんと共創していきたい」(パナソニック・テクノロジー本部兼マニファクチャリングイノベーション本部の小原英夫本部長)。