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 全樹脂電池を開発するAPBとHAPSモバイルは2020年12月24日、成層圏を飛ぶ基地局「HAPS(High Altitude Platform Station)」向けの電池の開発で基本合意したと発表した。HAPSモバイルは、2023年に商用化予定のHAPSのバッテリーとして、複数の次世代電池を研究機関などと共同で開発しており、今回新たに全樹脂電池も候補となった格好である。

 機体の軽量性を重視するHAPSにおいて、重量あたりのエネルギー密度に優れた次世代電池の開発は必須である。現行のLiイオン2次電池(LIB)では重すぎるためだ。HAPSモバイルは2018年から物質・材料研究機構(NIMS)と共同で、正極の活物質に酸素を使うLi空気2次電池を開発している。その他、硫黄を活物質としたリチウム硫黄(Li-S)2次電池も視野に入れる。全樹脂電池の基本原理は、LIBと同じである。そのため、「HAPS向けでは電極材料の変更で、(現行のAPBの電池に比べて)重量あたりのエネルギー密度を2倍にすることを狙う」という。

全樹脂電池はセルを積み重ねるだけで積層化が可能
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全樹脂電池はセルを積み重ねるだけで積層化が可能
APBの全樹脂電池のシート状セルを積層してモジュール化した時の外観を示した。従来型電池だと積層化の際に配線パーツや外装体が必要だが、全樹脂電池では不要である。高い空間充填性を確保できる。(出所:APB)