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 食品卸大手の三菱食品が、経理業務でAI(人工知能)活用を推進している。2020年6月までに、食品メーカーからの仕入れ取引を対象にして伝票照合AIシステムを稼働。月に2000時間以上かかっていた手作業による照合作業のうち数百時間分を削減した。

 スーパーやコンビニエンスストアなどへの販売取引についても、2020年11月にAIシステムの試験運用を開始した。2021年4月をメドに本番稼働させる。仕入れ取引と販売取引を合わせて最終的に月1000時間程度の作業削減を見込む。

三菱食品 財経サポート本部 戦略オフィス 兼 デジタル戦略本部 デジタル戦略オフィスの松坂郁夫氏
三菱食品 財経サポート本部 戦略オフィス 兼 デジタル戦略本部 デジタル戦略オフィスの松坂郁夫氏
(出所:三菱食品)
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 三菱食品の財経サポート本部戦略オフィス兼デジタル戦略本部デジタル戦略オフィスに所属する松坂郁夫氏は「当社が扱う仕入れ・販売取引は膨大で、人手でチェックしなければならない例外的な取引の件数も多い。この業務負荷を何とかしたかった」と狙いを話す。新システムは富士通と共同で開発した。

膨大な伝票照合の負荷に課題

 三菱食品は月に数千万件程度の膨大な取引データを扱う。経理部門は取引ごとに自社の伝票データと、取引先から受け取った伝票データを照合する。多くの取引では伝票をデータとして送受信するが、一部に紙伝票も残っており、OCR(光学的文字認識)でデータ化してから照合する。

 伝票には原則としてユニークな伝票番号が付いており、基幹業務システムで自動的に照合される。しかし一部の例外的なケースで人手が必要になる。全体の取引件数が膨大なため、人手が必要になるケースも多く労力がかかる。