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 米国企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)の目的を「事業拡大」と位置付け、日本企業は「既存業務の収益改善」と捉えている――。電子情報技術産業協会(JEITA)の調査で、このような実態が浮き彫りとなった。

 JEITAは2021年1月12日、IDC Japanと共同で実施した「日米企業のDXに関する調査結果」を発表した。調査対象は自治体や教育機関などの「パブリックセクター」とITベンダーを除く全業種の民間企業。2020年8~9月に日米の計約600社から回答を得た。

半数近くの日本企業がDXに未着手

 まずIT予算については日米ともに大半の企業が「増える傾向にある」と回答したものの、その用途は米国企業が「顧客行動/市場の分析強化」「ビジネスモデル変革」などに対し、日本企業は「働き方改革」「業務効率化/コスト削減」などが中心だった。JEITAの馬場俊介ソリューションサービス事業委員会委員長は「米国企業の多くがIT投資の用途を外向け(顧客や市場の把握のため)と位置付けているが、日本企業は社内の業務改善や効率化に振り向けている」と分析する。

日米企業のIT投資予算の用途。赤の点線は2017年の調査結果
日米企業のIT投資予算の用途。赤の点線は2017年の調査結果
(出所:電子情報技術産業協会)
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 DXの実施目的についても同様に、米国企業が新規事業や自社取り組みの外販化など事業拡大に重きを置く一方で、日本企業は業務オペレーションの改善や変革といった既存業務の収益改善を重視する傾向が見られた。トップライン(売上高)の強化を目的とする米国企業に対し、多くの日本企業は販管費あるいは売上原価を下げ、最終的にボトムライン(純利益)の押し上げを目指している。

日米企業のDXの目的
日米企業のDXの目的
(出所:電子情報技術産業協会)
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 DXに向けた取り組みを「行っていない」と回答した米国企業は2.3%、日本企業は15.1%だった。「情報収集中」「DXを知らない」などを含めると、半数近くの日本企業がいまだに取り組みを進めていないことが分かった。