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 サイボーグ事業を手掛けるメルティンMMI(東京・中央)と順天堂大学は、慢性期の脳卒中患者を対象にしたリハビリテーション装置の臨床研究を開始した。手や指を動かそうとする際の生体信号をセンサーで検出して動作をアシストする。臨床研究で手の運動機能の回復に効果が認められれば、メルティンMMIが医療機器として実用化を目指す。

開発中のリハビリ装置を使いトレーニングする様子
開発中のリハビリ装置を使いトレーニングする様子
(出所:メルティンMMI)
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 今回の臨床研究は、脳卒中の後遺症で思うように手を動かせない患者を対象とする。神経回路の損傷で、患者は脳から体を動かす指令を思い通りに出せない状態だ。開発したリハビリ装置は、脳から指令を出す神経回路の再構築を目指す「ニューロリハビリテーション」を支援する。

 具体的には腕に装着した3つのセンサーで、脳の指令を伝える生体信号の一種である筋電位を読み取り、指令に応じた手や指の動きをロボットでアシストする。その作業を繰り返すことで、脳が指令に対する正しい動きを再認識すると神経回路の再構築が進むと考えられている。

 生体信号に応じて装置を動かすリハビリ支援技術は既に実用化されている。メルティンMMIの生体信号処理技術は、既存の技術と何が違うのか――。「数ある生体信号の中から本人の意志で手や指を動かそうとする信号を瞬時に識別できるアルゴリズムが強みだ。手指の動きには多くの関節と筋肉が関わるため、生体信号の解析が非常に難しい」と同社の代表取締役である粕谷昌宏氏は説明する。

 まひしている手の筋肉や関節には様々な種類の生体信号が発生している。こうした多様な生体信号の中から、自発的に動かそうとする信号を読み取った際に装置で手を動かすことで、脳が正しい動作を認識しやすくなる。その結果、脳が正しい動きをするための指令を出しやすくなり、リハビリの効率を高められる可能性がある。