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 「あなたは児童扶養手当を受給できる可能性があります」――。千葉市は2021年1月28日から、住民個人やその家族が使える行政サービスをLINEのプッシュ通知で知らせるサービスを始める。住民税の所得情報など、市が保有する住民データを活用することで個人が使える制度を通知する仕組みだ。

 自治体が住民情報を活用するプッシュ通知サービスは、全国で初という。千葉市は年間1万3000人の利用を目指す。

健康や子育て支援など23制度を通知

 サービス名は「あなたが使える制度お知らせサービス」で、 対象は健康や子育て支援など23制度。具体的には子どもの予防接種や自身の健康診断、児童扶養手当、水道料金の減免などがある。

利用できる23制度(出所:千葉市)

乳児一般健康診査、特定健康診査、健康診査、肺がん・大腸がん検診、前立腺がん検診、骨粗しょう症検診、歯周病検診、胃がんリスク検査(ピロリ菌検査)、水痘(水ぼうそう)予防接種、麻しん・風しん予防接種、二種混合(ジフテリア・破傷風)予防接種、高齢者肺炎球菌予防接種、産後ケア事業、心身障害児童福祉手当、特別児童扶養手当、児童扶養手当(※)、ひとり親家庭等医療費助成(※)、JR定期乗車券の割引制度、家庭生活支援員の派遣(※)、母子・父子・寡婦福祉資金(※)、水道料金の減免(※)、下水道使用料の減免(※)、子育て世帯を支援するための市営住宅期限付き入居(※)

上記の(※)は住民税の所得情報などの活用同意を必要とする

 同サービスを使うにはLINEアプリで千葉市公式LINEアカウントを友だちに追加したうえで、「登録番号申請」を選び、入力フォームに名前や生年月日、連絡先などを登録する。千葉市はこの登録情報と、市の住民情報系システム内の個人データとを突き合わせたうえで、住民情報とLINEアカウントをひも付けるための登録番号を郵送で利用者に送る。

 利用者がその登録番号を千葉市公式LINEアカウントに入力すればサービスを使えるようになる。この際、23制度のうち、自身が受けたいものを選ぶ。

「あなたが使える制度お知らせサービス」の仕組み
「あなたが使える制度お知らせサービス」の仕組み
(出所:千葉市)
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 市はサービス提供に当たって、住民税の所得情報といった住民情報を活用している。その仕組みはこうだ。

 まず、市の住民情報系システムから利用者の住民情報を抽出し、今回のサービス用に新たに設置した解析サーバーに保存する。あらかじめ登録した各制度の対象者の条件に沿って、システムが自動的に住民情報から対象者を抽出する。通知の際は、それぞれの制度を担当する部署が通知タイミングごとにメッセージを作成して送っている。