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 SAPジャパンや弥生など会計業務ソフトベンダーが設立した「電子インボイス推進協議会(EIPA)」は2020年12月、電子インボイスの標準仕様について国際規格「Peppol(ペポル)」に準拠して策定すると公表した。あらゆる国内事業者の商取引に影響する重要な仕様策定だ。

「Peppol」準拠の共通電子インボイスシステム
「Peppol」準拠の共通電子インボイスシステム
(出所:電子インボイス推進協議会)
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 政府は2023年10月に消費税の「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」を導入する。免税事業者などを除く全事業者の全取引が対象だ。事業者が恣意的に納税額を操作する不正行為や記載ミスを防ぐ狙いがある。

 電子インボイスは企業など事業者が消費税を納税する際の「適格請求書(インボイス)」を電子化するものだ。企業がインボイスを電子化していない場合、発注者がいちいち紙のインボイスと帳簿データを手作業で突合して、消費税の納税額を手作業で計算するという膨大な手間がかかる。保管義務もあるためそのための手間やコストも膨らむ。電子インボイスによる業務の自動処理は不可欠だ。

 流通や建設、製造業といった一部の大企業は既存の業界EDI(電子データ交換)を使って独自に電子インボイスに対応する見込みだ。しかし業界EDIが個別に電子インボイスを使えるようにしても、業界EDIに加わらない企業との取引では電子インボイスが使えない。中小企業が負担なく電子インボイスを使えるようにする環境も必須だ。

 EIPAはどの国内事業者も共通の電子インボイスを使えるように、Peppolに準拠した電子インボイスの標準仕様を策定して普及を目指している。企業がPeppolに対応さえすれば、どんな取引先ともやりとりできるようにしたい考えだ。

 Peppolは欧州の公共調達をオンライン化する標準規格(Pan-European Public Procurement On-Line)を基に、国際的な非営利組織「OpenPeppol」が民間事業者も対象に含めて管理する電子インボイスの仕様だ。国際標準化団体「OASIS」が電子商取引向けXML形式の電子伝票の仕様であるUBL(Universal Business Language)を中心に拡張した。

 30カ国以上がPeppolを採用しており、欧州連合(EU)版のほかにシンガポールやオーストラリア、ニュージーランド版がある。これらインターナショナル版は統合してPINT(ピント)と呼ばれ、国際的な相互連携を保証している。