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 アプリストアで1位になるなど人気が急上昇していた米国のSNSアプリ「Parler(パーラー)」が一夜にして利用できなくなった。Parlerはクラウドサービスの米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)を利用していたが、AWSがサービスの提供を停止したためだ。

 米グーグルや米アップルによるアプリ配信も停止されており、Parlerを提供する米パーラーは、テクノロジー大手のGAFAのほとんどにビジネスが中断させられた格好だ。この状況に対してパーラーはAWSを提訴した。現在、パーラーはウェブサイトを一部復活させてサービス再開に自信をのぞかせている。訴状から見えてきた騒動の舞台裏を3つの事実から解説する。

サービスの突如打ち切りに対しAWSを提訴

 Parlerのサービスは2021年1月11日に日付が変わってすぐ、インターネット上から消えた。アプリを閲覧しようとすると「Networking Error」と表示されるのみとなった。

Parlerの画面(左)と、サービスが利用できなくなった状態の画面。「Networking Error」と表示され、タイムラインは表示されない
Parlerの画面(左)と、サービスが利用できなくなった状態の画面。「Networking Error」と表示され、タイムラインは表示されない
(出所:Parlerのアプリ)
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 発端は年明け早々の2021年1月6日に発生した首都ワシントンDCの米連邦議会へ暴徒が乱入、不法占拠したことにある。多くはトランプ米大統領支持者で、Parlerには暴力を誘発するような投稿があり、1月20日にひかえる新大統領の就任式にも影響を与える可能性があると判断されたのだ。

 パーラーのジョン・マッツェ最高経営責任者(CEO)は米FOXニュースのインタビューで、AWSによるパーラーへのサービス停止の措置に「まさかこんなことが起きるとは思っていなかった。次々と規約違反を指摘され、次はどこに見捨てられるのかと世間が待っているようだった」と語った。

 AWSはパーラーに問題のある投稿の削除を事前に要請していたが、パーラーの対処が満足のいくものではないとして、停止の措置に踏み切った。

パーラーがワシントン州シアトルの連邦地裁に提出した訴状
パーラーがワシントン州シアトルの連邦地裁に提出した訴状
(撮影:シリコンバレー支局)
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 これに対しパーラーのマッツェCEOはAWSの措置を不服として1月11日、AWSの本社があるワシントン州シアトルにある連邦地方裁判所に提訴した。AWSの大口顧客である米Twitter(ツイッター)の利益のためにParlerのサービスを停止させ、ミニブログ市場での競争を減らしたのは、反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとの主張だ。

 今回の提訴で、パーラー対AWSの舞台裏が見えてきた。大きく3つの新事実が明らかになった。