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 福井県は2020年12月11日、県内の道路3か所に設置したカメラの画像をリアルタイムでAI(人工知能)で解析、路面の凍結や積雪の状態を判別する実証実験を始めた。現在は管理事務所の職員がカメラ画像を目視で監視しているが、カメラ画像だけでは判断できず職員が現場に出向き、除雪車の出動や凍結防止剤の散布を判断することが多い。

 AIを併用して人手の作業負担を軽減し、除雪などの作業を適切に進めるのが狙い。福井県は1月7日にも豪雪に見舞われ、高速道路で自動車が立ち往生する被害が発生したばかり。次の被害を防ぐため、AIの力を生かす考えだ。

国道157号勝山市北谷町谷に設置したカメラの2021年1月11日の画像
国道157号勝山市北谷町谷に設置したカメラの2021年1月11日の画像
出所:福井県
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国道158号福井市天神に設置したカメラの2021年1月10日の画像
国道158号福井市天神に設置したカメラの2021年1月10日の画像
出所:福井県
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AI判定で職員をアシスト、除雪車出動を迅速に

 実証実験では、カメラ画像からAIが路面状態をリアルタイムに診断。「積雪度」「凍結度」「湿潤度」「乾燥度」を数値化する。現状はAIの診断結果と職員が現場で目視した結果を照らしあわせて、どの程度活用できるのか見極めている最中だ。

 AIを使う狙いは職員による判断速度の向上と、最終的に除雪車を出動させるまでの時間を縮めることだ。AIの判定精度が十分になれば、職員が「現場の判断材料のひとつ」(福井県土木部道路保全課)として使えるようになる。最終的に現場に出向いて判断するまでのスピードが高まり除雪車出動が早まれば、立ち往生などを防げる可能性は高まりそうだ。

 カメラ画像から路面状態を判別するには、日本気象協会とAIベンチャーのスペクティが共同開発したAIを活用する。深層学習(ディープラーニング)で、日本気象協会が全国の道路のカメラで撮影した数十万点の道路画像を学習させ、画像から「積雪度」「凍結度」「湿潤度」「乾燥度」を判定できるようにした。さらに福井県の道路に設置したカメラ画像のデータも追加で学習して精度を高めた。