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 「株式や債券を発行するプライマリー市場(発行市場)におけるDX(デジタル変革)を実行する」。不動産に特化した投資型クラウドファンディングを提供するクラウドリアルティ代表取締役の鬼頭武嗣氏は、こう宣言する。

 同社は2020年12月1日、投資型クラウドファンディングのプラットフォーム「Crowd Realty」が持つ機能をAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)として提供すると発表。ビジネスモデルを「垂直型から水平型に転換する」(鬼頭氏)。これまで不動産に特化したクラウドファンディングを自社で提供する事業を進めてきたが、API公開で証券会社などが投資案件の募集サービスを提供できるようにするとともに、投資対象を拡大する。プラットフォーム名も「soils(ソイルズ)」に変更した。

(出所:クラウドリアルティの資料を基に日経FinTech作成)
(出所:クラウドリアルティの資料を基に日経FinTech作成)
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 証券会社などがsoilsを使えば、自社でシステムを構築しなくても投資を募ることができる。資金調達を行いたい企業や組織(発行体)は、soils上のマーケットに登録しておく。従来は証券会社などが幹事会社となり、株式や社債、プロジェクトへの投資といった案件ごとに募集業務を実施していた。soilsでは、APIを用いて登録されている案件にアクセスするインターフェースを作るだけで募集業務が可能になる。

 不動産などのプロジェクトに対する投資だけでなく、株式や社債などを対象にする狙いもある。二種金融商品取引業者(金商業者)のクラウドリアルティだけでなく、一種金商業者の証券会社などが扱える案件を含むことになるからだ。

 中核となるAPIは2つある。1つめは、投資銀行が担うシンジケーション業務を、証券会社などが行うための機能。シンジケーション業務とは、シンジケート団を組成して入札やブックビルディング(需要積み上げ)といった方式で投資家からの投資を募ることを指す。