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 メルカリが新規事業に再挑戦する。2021年1月28日付で事業子会社を新設し、フリマやスマートフォン決済といった既存事業とは異なるサービスを新たに企画、開発、運営する。同社は自転車シェアやスキルシェアなど周辺事業へ一時手を広げていたが思うように事業を拡大できず、人材や投資の分散を招き全ての周辺事業を終了した経緯がある。新設子会社の名称「ソウゾウ」は2019年に解散した以前の新規事業子会社と同じ。あえて同じ社名の子会社を立ち上げてリベンジを期す。新生ソウゾウは総撤退の反省を生かせるか。

 新会社ソウゾウの資本金は5000万円でメルカリが全額出資する。旧ソウゾウのメンバーだった石川佑樹氏が最高経営責任者(CEO)に就任する。メルカリの最高技術責任者(CTO)を務める名村卓氏が新会社のCTOに、山田進太郎社長が取締役にそれぞれ就く。

ソウゾウのCEOに就く石川佑樹氏(右)とCTOに就く名村卓氏(左)、メルカリの山田進太郎社長
ソウゾウのCEOに就く石川佑樹氏(右)とCTOに就く名村卓氏(左)、メルカリの山田進太郎社長
(出所:メルカリ)
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フリマ、決済、米国に次ぐ「4本めの柱」育てる

 「新規事業はメルカリ内でずっと検討してきたテーマ。軌道に乗せるには新規事業に特化した部隊を立ち上げるべきだとの結論に至った」。石川氏は新規事業会社設立の背景をこう語る。解散した旧会社と同じ社名をあえて付けることにしたのは、新規事業への意気込みを社内外に示すための「メッセージになる」(同)と考えたためという。「新たな事業を興すのは難しいし失敗もする。ただ、新しいプロダクトを届けるという旧ソウゾウの目標に共感していたこともあり、同じ社名に決めた」(同)。

 具体的にどんな事業を始めるのか。石川氏は「いくつかのアイデアを検討中」と話す。事業化の判断基準は主力のフリマ事業と並ぶ「新たな柱になるほど大きく育てられる事業かどうか」(同)。メルカリの山田社長も自身のブログで、2021年は「4本目の柱を見いだすことを目標にする」と表明している。「小さな事業を中途半端に始めるのではなく、社会や人に役立ち継続性のある事業をつくる」(石川氏)。

 新規事業への「出直し」を図るメルカリにとって、前回の反省を生かせるかがポイントの1つだろう。同社は2015年に旧ソウゾウを設立し、新規事業へ本格的に乗り出した。事業の1つが自転車シェアだ。2018年2月に「メルチャリ」の名称でサービスを開始。福岡市や東京都などで事業を展開した。ほかにも不用品などの即時買い取りサービス「メルカリNOW」や個人間でスキルを売買する「teacha」、地域内での商品売買「メルカリ アッテ」などを手掛けていた。