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 野村総合研究所(NRI)の100%子会社であるNRIデジタルは2021年1月27日、企業が消費者に商品を直接届けるD2C(Direct to Consumer)のシステム開発や運用を支援する新サービス「D2C OnBoard(ディーツーシー・オンボード)」を始めた。ECサイトの構築に加え、デジタルマーケティングやデータ分析サービスをワンストップで提供する。

 「D2Cを始めてみたい企業向けの入門プログラムとしてサービスを用意した」とNRIデジタルの吉田純一DX企画ディレクターは話す。新型コロナウイルス禍でD2Cを導入したいというニーズが増えており、主な顧客対象としてメーカーやホテル、レストランなどを想定する。

新サービス「D2C OnBoard」の概要
新サービス「D2C OnBoard」の概要
(出所:NRIデジタル)
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 企業はオンラインで顧客との接点をつくり、消費者の氏名や年齢をはじめとした属性、購入商品や購入金額といった購買履歴、行動履歴、売り上げなどのデータを分析できる。行動履歴はサイトやアプリ上での操作の履歴だ。これにより、購入に至った消費者やサイト上で離脱した消費者の行動パターンを見つけられる。

 従来は例えば食品メーカーであれば、卸業者や店舗を通じて消費者の手に渡るのが一般的。どの属性の消費者がどのような行動パターンで購入まで至ったかを把握しづらかった。

最短1カ月でD2Cの新規事業

 新サービスの特徴はスピード感だ。「顧客企業は1カ月から3カ月という短期間で新規事業を立ち上げられる」(吉田DX企画ディレクター)。NRI本体は金融向けなど大規模システムがメインで半年や1年単位の案件が多い中、「小さく始められる」(同)ようにこだわった。

 新サービスでは、グローバルでシェアのある6つのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)製品を組み合わせてECシステムを構築する。6つの製品とは、ECサイト基盤の「Shopify」やデジタルマーケティングの「KARTE」、データ分析基盤の「Google Cloud」、会員サイト構築など顧客管理の「HubSpot」、データ連携の「trocco」、サイトの停止や障害を検知するシステム性能管理の「New Relic」だ。

 Shopifyはクラウド基盤のECサイト構築サービスで、注文管理や会員登録、決済などの機能を持つ。KARTEはクーポンやアンケート配信、ユーザーセグメント作成などができ、それぞれの消費者に合わせたアプローチが可能。Google Cloudは複数ツールにおける消費者の行動履歴の収集や分析結果のダッシュボードの作成などができる。

 新サービスの価格は、デジタルマーケティングができるECサイトを構築する最小構成プランで700万円(税別)から。構築にはShopifyとKARTE、Google Cloudのみを使う。ECサイトに加えて、CRM(顧客関係管理)の構築や外部システムとの連携、運用監視などの機能も加えたオプションプランは1000万円(税別)から。