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 米Apple(アップル)の独自プロセッサー(SoC:System on a Chip)「M1」を採用したパソコン(PC)「Mac」(図1)。3機種の性能試験の結果、「プロユース」をうたう13型「MacBook Pro」は「あともう一歩」と言える性能だった。同価格帯のWindowsノートPCの方が、3次元コンピューターグラフィックス(3D CG)のレンダリングや機械学習の性能で上回った。

図1 M1搭載Macの3機種
図1 M1搭載Macの3機種
左から「MacBook Air」、13型「MacBook Pro」、「Mac mini」である(出所:Apple)
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 13型Proの販売価格は1299米ドルから。M1の採用で、前世代品に比べてコストパフォーマンスが向上し、バッテリー駆動時間が長くなった。一方、GPU性能やメモリー容量がほどほどで、プロユースでよく使われる3D CGのレンダリングや機械学習といった処理には限界がある。持ち歩く頻度が低く、バッテリー駆動する機会が少なければ、マイクロプロセッサー(MPU)とは別に独立したGPU(dGPU)を搭載したWindows機の性能がProを上回る。

 今回、M1を搭載するProとノート型の「MacBook Air」、デスクトップ型の「Mac mini」を用意。Proと同価格帯のWindowsノートパソコンを加えた4機種で、機械学習や3D CGのレンダリング、静止画/動画の書き出し試験を実施した。

 なおM1搭載Macのうち、Proではメインメモリーを標準の8Gバイトから16Gバイトに増設し、ほかは最安モデルと同じ構成にした。同メモリー量の影響を調べるためである(表1)。メモリー増量で価格は1499米ドルになる。

表1 今回の評価に利用したパソコン
表1 今回の評価に利用したパソコン
(出所:日経クロステック)
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 WindowsノートPCとして、米Dell Technologies(デル)の「Alienware m15 R3」(以下、Windows機)を選んだ(図2)。dGPUを搭載し、ゲーム向けに描画処理性能を高めた、いわゆる「ゲーミングPC」である注1)

注1)M1搭載Macの調査では、日本経済新聞のインターンでカリフォルニア大学サンタクルーズ校の森一聖氏と共同で実施した。またAlienwareはMPUに米Intel(インテル)の「Core i7-10750H」、GPUに米NVIDIA(エヌビディア)の「GeForce RTX 2070 SUPER」を搭載する。メインメモリーは32Gバイトで、SSDの容量は1.5Tバイトである。価格は約2100米ドルと13型Proに比べて高いが、メインメモリーやSSDの量をほぼそろえると同価格帯の製品と言える。
図2 「Alienware m15 R3」
図2 「Alienware m15 R3」
(出所:森一聖)
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