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 NTTドコモが2020年末に発表した新料金プラン「ahamo」に端を発する携帯電話大手の料金引き下げ競争。2021年に入っても業界第4軸の楽天モバイルによる料金改定や大手のサブブランドの値下げなどがあり、つばぜり合いは当面続きそうだ。

 相対的に苦しい立場に置かれているのが「安さ」を訴求してきたMVNO(仮想移動通信事業者)だ。

 競争促進によって携帯大手による「寡占市場」に風穴を開け、通信料の高止まりを崩す――。そんな思惑から政府が後押ししてきたMVNO市場には一時、多くの異業種からの参入が相次ぎ、シェアを着々と広げた。

 だが、すぐにレッドオーシャン(激戦市場)となり、大手の反撃にもさらされたこの1~2年は成長が鈍化。その間に政府によるてこ入れはあったが浮揚の決め手とならず「はしごを外された」(業界関係者)との恨み節も聞こえる。

 そしてここに来ての大手による「挟み撃ち」だ。MVNO各社の生き残りをかけた反撃が始まっている。

防衛線は「20ギガ」と「5ギガ」

 関西電力傘下のオプテージ(大阪市)は2021年2月1日、MVNOサービス「mineo(マイネオ)」の料金プランを刷新した。新プラン「マイピタ」は音声通話付きでデータ通信容量が最大1ギガバイトの場合、月額1180円(税別、以下同)。5ギガは1380円、10ギガは1780円、20ギガなら1980円となる。

MVNOサービスの新料金プラン「マイピタ」を発表するオプテージの荒木誠社長(左)と福留康和モバイル事業戦略部長
MVNOサービスの新料金プラン「マイピタ」を発表するオプテージの荒木誠社長(左)と福留康和モバイル事業戦略部長
(出所:オプテージ)
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 なかでも割安感があるのは20ギガと5ギガのメニューだ。20ギガについては大手3社が月2480~2980円なのに対し、オプテージのマイピタは1980円に抑えた。一方、5ギガに関しては大手のサブブランドはマイピタより2ギガ少ない3ギガで月1480~1980円と、マイピタより100~600円高い。

 オプテージによれば現在のmineo契約者の8割強は月間3ギガバイト以下のプランを契約しているという。ただ今後は5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴ってスマートフォンで使うコンテンツの大容量化が進み、より容量の大きいプランのニーズが高まるとみられる。オプテージもこうした状況を見据え、以前から中容量プランを中心に強化策を検討してきた。だが今回、足元で起こる急激な市場環境の変化に即して料金刷新に踏み切ったという。

日本通信やY.U-mobile も大手対抗へ

 大手対抗策を講じているMVNOはオプテージだけではない。

 いち早く動いたのはMVNOの草分けである日本通信だ。ドコモのahamo発表から間もない2020年12月10日、データ通信容量が最大16ギガバイトで月間70分の通話料金を含めて月額1980円の新プランを導入した。

 さらにドコモが2021年3月に予定しているahamo開始日に、日本通信は通信容量を20ギガに拡大する予定。「20ギガで月1980円」にそろえて大手に対抗する形だ。

 USEN-NEXT HOLDINGSとヤマダホールディングスが設立したY.U-mobileも2021年1月19日、MVNOサービス「y.u mobile」の料金を改定すると発表した。具体的にはデータ通信容量が最大3ギガバイトで月額1690円だった「シングルプラン」を、2021年3月1日から5ギガで月1490円とする。

 Y.U-mobileもオプテージ同様、5ギガで1500円以下に抑えた格好だ。同時に、20ギガバイトを複数回線で分け合う「シェアプラン」については月額5990円から同3980円に引き下げる。