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 都道府県や市町村から新型コロナウイルス感染者の個人情報流出が止まらない。

 2021年1月8日に1都3県に2回目の緊急事態宣言が発出されてから1月末までの間に、奈良県と福岡県、和歌山市、埼玉県、水戸市、宮城県、和歌山県新宮市が新型コロナ感染者の個人情報流出を明らかにした。特に和歌山市が公表した1月22日から新宮市が公表した28日までの1週間に5件も公表された。

 どうしてここまで流出が続くのか。1月22日から28日までに発生した5件の流出事故の原因を見ていこう。

アドレスの入力ミスやFAXの誤送信などで情報漏洩

 5件のうち、原因が明らかになっているのは新宮市を除く4件である。

2021年1月22日から1週間の間に公表されたコロナ感染者の個人情報流出事故。各囲みの情報は上から順に発表日、流出対象の人数、原因。
2021年1月22日から1週間の間に公表されたコロナ感染者の個人情報流出事故。各囲みの情報は上から順に発表日、流出対象の人数、原因。
(日経クロステック制作)
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 1月22日に明らかになった和歌山市の場合、メールの誤送信が原因だった。職員が自身の個人メールアドレス宛てに会議資料を送るよう別の職員に指示した際、伝えたメールアドレスが誤っていたことが原因だった。これにより、414人の情報を含むファイルが第三者のメールアドレスに送信された。個人情報を含む会議資料を職員個人のメールアドレスに送った理由やその是非については説明していない。

 1月26日には2件発生している。午前中に明らかになった埼玉県は、個人情報を削除したファイルと内部の管理で使う個人情報を含むファイルを取り違えて、191人分の個人情報を含むファイルをWebサイトにアップロードした。埼玉県はミスを起こした原因として、2種類のファイルを同じフォルダーに入れて管理し、担当者が1人だったためダブルチェックできなかったことを挙げた。

 同日午後には水戸市が明らかにした。原因はFAXの誤送信。マスコミ各社で構成される記者クラブ宛てに個人情報を含む紙を送信したという。流出した新型コロナ感染者の人数は明らかにしていない。

 1月27日には宮城県で流出が明らかになった。同県では新型コロナ感染者が死亡したとき、個人が特定できないように情報を加工してWebサイトに公開していた。県の担当者に対して外部からより詳しい情報を求める問い合わせがあり、担当者が求めに応じてWebサイトに個人情報を掲載した。同県はこれを、担当者の「手違いによる誤掲載」としている。

 1月28日に公表した新宮市は職員の個人情報の不適切な取り扱いにより同月に個人情報が流出し、新型コロナ感染者の個人情報を管理する保健センターのセンター長とセンター長補佐が戒告、担当者が訓告の懲戒処分を受けた。流出事故の詳細については、「被害の拡⼤につながる可能性があるので明らかにしない」(市担当者)という。