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 「将来的にAmazon Web Services(AWS)が、アマゾンにとって最も規模の大きい事業になるだろう」――。米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)の次期CEO(最高経営責任者)に就任することが2021年2月2日(米国時間)に発表されたAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は、2009年の段階でそう確信していたという。AWSを率いてきたジャシー氏とはどのような人物なのか。Q&A形式でまとめた。

ジャシー氏のアマゾンでの経歴は?

 ジャシー氏がアマゾンに入社したのは1997年。現在はAWS部門のCEOを務める。実はAWS事業をアマゾン社内で始めたのもジャシー氏だ。「当社がAWSを始める直前、私はJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏の下でChief of Staff(補佐役のトップ)として働いていた。ベゾス氏がAWSの事業アイデアを思い付いたことから、私がAWSの事業プランを書いて、2003年秋に私がトップとしてAWSの事業を始めた」(日経コンピュータの2012年5月のインタビューでジャシー氏)。

自社イベント「AWS re:Invent」で講演するアンディ・ジャシー氏
自社イベント「AWS re:Invent」で講演するアンディ・ジャシー氏
(撮影:日経クロステック)
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 ジャシー氏によればAWSを率いる以前は「アマゾンにおけるほとんど全ての事業部門を経験してきた」(同)という。ジャシー氏は2021年第3四半期からベゾス氏の後を継いでアマゾンの全事業を率いていくことになるが、ジャシー氏がAWSだけで経験を積んできたわけではない。小売事業などに関する知見も有している。

ジャシー氏の性格は?

 極めて野心的であり、それを表に出すタイプだ。日経コンピュータの2012年5月のインタビューで、ジャシー氏は「AWSはアマゾンにとって、非常に大きなフリーキャッシュフローを生み出すビジネスになる」「将来的にはAWSがアマゾンにとって最も規模の大きい事業になるだろう」「現在(2012年当時)のアマゾンの全社売上高は400億ドル(約4兆円)だが、AWSはそれぐらいの事業規模になる」と述べていた。

 当時、アマゾンはAWSの事業別業績をまだ開示していなかった。それにもかかわらず事業規模について部門トップが言及するのは、情報発信に慎重な米国企業では珍しい。

AWSの売上高は4兆7500億円に

 2021年2月2日に発表した2020年1~12月期決算では、アマゾン全体の売上高が3860億6400万ドル(約40兆円)だったのに対し、AWSの売上高は453億7000万ドル(約4兆7500億円)であり、AWSの売上高は全体の1割強を占める。「アマゾンで最大の事業になる」というジャシー氏の野望はアマゾンの他の事業も大きく伸びたため果たされていないが、「AWSを400億ドルを超える事業にする」という宣言は実現させた。

 利益面で見ると、アマゾン全体の営業利益が228億9900万ドル(約2兆4000億円)だったのに対し、AWSの営業利益は135億3100万ドル(約1兆4000億円)だった。AWSはアマゾンにおける「稼ぎ頭」であり、その点でジャシー氏は有言実行を果たしたと言える。