米版「地域新電力」も100MW契約
大手電力会社もこのプロジェクトに関わっている。
米国で最大規模の電力会社の1つであり、カリフォルニア州の中部・沿岸部・南部に及ぶ地域で およそ1400万人に電力を供給しているサザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)は、昨年5月に、古い天然ガスによる火力発電設備を代替するため、計770MWに達するエネルギー貯蔵プロジェクトと調達契約を結んだ。全部で7つものプロジェクトの中には、サンボーンプロジェクトが含まれており、エネルギー貯蔵設備から出力50MWの電力を10年間、購入する契約になっている。
さらに、2つのコミュニティ・チョイス・アグリゲーション(CCA)もこのプロジェクトからの電力購入を契約している。
CCAは日本の地域新電力に似ていて、市や郡などの地方自治体が設立し、自ら発電所を開発、または発電事業者から電力を調達し、 既存の大手電力会社が所有する送配電網を利用し地域の需要家に電力を供給する小売電気事業を展開している。CCAは、既存の大手電力会社との差別化として、再エネの比率がより高いプランを提供し、その再エネも「地産地消」型で調達している。
契約を結んだのはカリフォルニア州太平洋岸に面しているロサンゼルスとベンチュラ郡を含む同州南部をサービス管轄に持つクリーン・パワー・アライアンス(CPA)と同州サンフランシスコ・ベイエリアの一部であるあるアラメダ郡で電力を供給するイーストベイ・コミュニティ・エネルギー(EBCE)である。CPAはエネルギー貯蔵設備から100MW分の電力購入に関してPPAを締結した。さらにEBCEは、100MWの太陽光発電とエネルギー貯蔵のバーチャルPPAをテラジェントと結んだ。契約期間は共に15年となっている。
CPAとEBCEは共にカーン郡に建設された192MWの太陽光発電所ともPPAを結んでいる。「ロザモンドセントラル」と呼ばれるこのプロジェクトは今月5日に商業運転を開始したばかりである(図3)。