2020年11月、家庭用ゲーム機をリードする大手2社がそれぞれ次世代のフラグシップ機を発売した。米Sony Interactive Entertainment(SIE)の「PlayStation 5」(以下、PS5)と、米Microsoftの「Xbox Series X」(以下、Series X)である(図0)。本稿では、Xbox Series Xを分解して分かった設計の特徴や狙いを解説する。
図1 コスト重視のPlayStation 5とサイズ重視のXbox Series X
PlayStation 5(PS5)とXbox Series Xの外観。それぞれ設計思想が異なり、コストを意識したPS5は大型に、デザインやサイズを意識したXbox Series Xは、比較的小型になっている。(写真:スタジオキャスパー)
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デザイン性と小型化優先し強引な設計
Xbox Series Xは、小型化とデザイン性を重視して設計されていた。例えばデザインでは、縦置きしたときの天面にある通気口は、斜めから見るとイメージカラーの緑色が穴から見える(図1)。わざわざ樹脂板を1枚追加してでも表現したかったのだと思われる。
図1 小型化に加えデザイン重視のXbox Series X
Xbox Series Xを横置きした場合の外観。縦置きしたときに天面側となる大きな通気口は、見る角度によって穴の一部が緑色に見える。デザインを重視して、わざわざ外装の内側に緑色の樹脂板を差し込むことでイメージカラーを表現したとみられる。(写真:右下は加藤康、それ以外はスタジオキャスパー)