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 ところがSeries Xでは、電源ユニットを天面側に配置し、わざわざケーブルを内部で引き回している。電源から各部品に電力を供給するノイズのないきれいな直流12Vを送る配線と、家庭用コンセントから電源に電力を送る交流100Vの配線をわざわざ交差させるような構造としている。分解に同席した技術者は「電源の技術者としては避けたい設計だ」と評する。下部にディスクドライブを配置したいといったデザイン的な意図などを優先したとみられる。

 電源ユニットは樹脂製カバーと金属製カバーに覆われている(図5)。樹脂製カバーは電源ユニット上部の穴を覆うように取り付けられている。電源ユニットは空冷用のファンの真下に搭載してある。樹脂製カバーは、排気口にネックレスや指輪などの金属類が落下した際、落下物と電源ユニットとの接触を防ぐ目的で取り付けたとみられる。電源ユニットは「非常に小型で、いっぱいに詰め込んだ印象」(分解に同席した技術者)だ。

図5 ぎっしり詰まった電源内部
図5 ぎっしり詰まった電源内部
樹脂製カバーと金属製カバーを外すと、電源ユニットの黒い本体が出てくる。電源ユニットの内部には、電子部品が隙間なく搭載されていた。白い固形物は部品同士の接触などを防ぐ役割があるという。(写真:加藤康)
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2枚の大型基板で機能を分担

 Series Xはメインとサブの2枚、大きな基板を搭載している。サブ基板は電源ユニットを取り外した下にあった(図6)。サブ基板には、I/Oインターフェースに関係する電子部品などを搭載する。部品点数はあまり多くなく、目立つのはMicrosoftの刻印があるICなど数点だ。

図6 メインフレームからサブ基板を取り外す
図6 メインフレームからサブ基板を取り外す
電源ユニット直下にあったサブ基板を取り外した。柔らかさを保つために導電性の布でシールドされた高価なハーネスは、メイン基板側から曲げられて接続されていた。(写真:加藤康)
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 サブ基板とメイン基板の間にあるメインフレームはアルミダイカスト製で、重さ444gと非常に強固な作りになっており、推定原価20~30米ドルの高価な部品だ(図7)。メインフレーム上には複数の通気口が開いており、吸排気の風の通り道となっている。

図7 重厚なアルミダイカストのメインフレーム
図7 重厚なアルミダイカストのメインフレーム
強固で分厚いアルミダイカスト製のメインフレームに、基板などを取り付けていた。メインフレームには各面に複数の穴が空いており、熱を拡散させる以外に空気の通り道を確保する目的もあるとみられる。(写真:加藤康)
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 メイン基板上でX形が浮き出ている金属シールドを外すと、その下にX形の板バネが出てきた(図8)。この板バネはステンレス製で、熱による基板のひずみを抑制する役割や、熱源部分とヒートシンクとの接地を維持して熱暴走を防ぐ役割などを担う。

図8 X形の板バネや内蔵SSDを搭載したメイン基板
図8 X形の板バネや内蔵SSDを搭載したメイン基板
メインフレームの下からは、メイン基板が登場した。写真上部の金属シールド内部には「M.2」仕様の内蔵SSDがあり、シールドの内外にぎっしりとTIMを塗布していた。中央には、XboxシリーズおなじみのX形の板バネがあり、ヒートシンクがメインプロセッサーから浮かないように固定している。(写真:加藤康)
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