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 在庫数や売れ行き、天気、近隣のイベントなどを考慮し人工知能(AI)が商品を自動で発注する――。これまで従業員の勘と経験に頼っていた食品スーパーの発注業務をAIが手掛ける時代が到来した。

 ライフコーポレーションは2021年2月中をめどに、日本ユニシスと共同で開発したAI需要予測による自動発注システム「AI-Order Foresight」を全278店で稼働させる。従業員の発注業務の負担を軽減し、人手不足の解消につなげる狙いだ。

AIを使った自動発注システムを全278店で稼働させる
AIを使った自動発注システムを全278店で稼働させる
(出所:ライフコーポレーション)
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 「発注業務をAIに担わせることで、従業員には接客や売り場の整備といった、より付加価値の高い業務に従事してもらう狙いがある」。システムの開発に携わったライフコーポレーションの岸本裕之コーポレート統括担当課長はこう語る。

ライフコーポレーションの岸本裕之コーポレート統括担当課長
ライフコーポレーションの岸本裕之コーポレート統括担当課長
(出所:ライフコーポレーション)
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 同社は2011年から、加工品などの一部商品で自動発注システムを活用している。ただ、売れたものを売れた数だけ発注する「Sell one Buy one(セルワンバイワン)方式」であるため、売れる前から発注が必要な賞味期限の短い商品には向かなかった。例えばケーキや牛乳などの日配品が該当する。「日配品は需要を予測して売れる前から発注する必要があるため、人手に頼るしかなく大きな負担になっていた」と岸本担当課長は語る。同社は日配部門だけで、1日当たり3~4時間を発注業務に充てていたという。

 そこで2018年から日本ユニシスと共同でAI需要予測エンジンの開発を進めてきた。「複数の自動発注システムを比較したが、AIが自動で学習しチューニング作業が少なくて済むことから、現場の負担を考慮し日本ユニシスと組むことを決めた」(岸本担当課長)。一部店舗で実証実験を積み重ね、十分な精度が出ることを確認。このたび全店舗の日配品発注への展開を決めた。