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 純日本企業から世界企業へ進化して、半導体業界での生き残りを狙うルネサス エレクトロクス*1。そのステップに重要な第3の大型買収を2021年2月8日に発表した*2。低電力なPMIC(Power Management IC)や低電力なコネクティビティー(無線通信)ICに強みを持つ、英Dialog Semiconductor(ダイアログセミコンダクター)を約49億ユーロ(約6157億円)で買収する(買収完了は21年中の予定)。同日夕方に開いた報道機関/アナリスト向けオンライン会見で、買収する側、される側のトップが今回の買収への思いを語った。

Dialogはルネサスにとって3番目の大型買収
Dialogはルネサスにとって3番目の大型買収
「4番目はDialogの買収が軌道に乗ってからで、当面はない」(柴田氏)。ただし、小規模な買収は必要に応じて進めるとのことだった。(出所:ルネサス)
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 登壇したのはルネサスの代表取締役社長兼CEOの柴田 英利氏とDialogのCEOのJalal Bagherli氏である。買収する側の柴田氏によれば、ルネサスの買収候補のリストには10社くらいが含まれており、実行された1番目が2016年の米Intersil、2番目が2018年の米IDT(Integrated Device Technology)。3番目が今回のDialogとなる。

 同氏によれば、Dialogの買収の検討を本格的に始めたのは約3年前。その頃にDialogは米Appleへの依存率を下げる戦略を採るようになった。その戦略の効果が着実に出ていることで、今回買収を決定した。実際、19年には全社売り上げに占めるAppleへの販売額の比率は66%だったが、20年末には55%に低減した。23年にはDialog全体の売上高が増すことの効果と合わせて、Appleの比率は25~30%になるとのことだった。

Appleへの依存率が下がった今が好機
Appleへの依存率が下がった今が好機
Dialogの概要を紹介したスライドで、柴田氏が強調したのが左下の「最も取引額の大きな顧客(米Appleのこと)への依存率が順調に低下している」ことだった。(出所:ルネサス)
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