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ファウンドリーやOSATの製造ラインが満杯

 ルネサスからの説明の後にQ&Aとなり、最近、メディアをにぎわす車載半導体不足に関連した質問が相次いだ*3。柴田氏によれば、市場で需要が旺盛なのは車載半導体だけではなく、ITはもちろん白物家電などほぼすべての分野で半導体の需要が伸びているとした。実際、同社工場の稼働率は上がり、同社の在庫は車載、非車載の両方で減少した。なお、同社の20年末の受注残は車載よりも非車載のほうが多いとのことだった。

ルネサスの前工程製造ラインの稼働率推移
ルネサスの前工程製造ラインの稼働率推移
(出所:ルネサス)
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 旺盛な需要に応えるために、同社は21年第1四半期の設備投資額を思い切って増やす。また複数の製品の製造を、逼迫度が高い8インチ(200mm)ウエハーのラインから余裕のある12インチ(30cm)のラインに移している。例えば、130nmプロセスで製造するマイコンや、IGBTを12インチのラインに積極的に移しているとのことだった。

需要増に応えるためにルネサスは21年第1四半期に設備投資を増やす
需要増に応えるためにルネサスは21年第1四半期に設備投資を増やす
なお増資は21年第1四半期が顕著で、「21年通年では例年の『売上高比の5%』より少し高い程度」(同社)。(出所:ルネサス)
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 ただしルネサスは全量を自社工場で製造しているのではなく、受託製造企業を活用する、いわゆるファブライト戦略を採っている。柴田氏の説明では、現在、半導体供給が逼迫しているのは、ファウンドリー(半導体製造の上流工程を担う企業)とOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test:半導体製造の下流工程とテストを担う企業)が共に製造能力の限界で操業しているためである。製造受託企業、特にファウンドリーの製造ラインの混雑が深刻で、その状態は少なくとも21年上期中は続きそうだ。ファウンドリーに関しては製造プロセス別の混み具合についてのコメントもあった。混雑しているのは最先端プロセスではなく、それより少し前のプロセスだという。例えば、車載SoC(System on a Chip )では5nmや7nmではなく16nm。マイコンでは40nm、アナログ/ミックストシグナルでは150nmや180nmとのことだった。