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 米Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ、TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、電気自動車(EV)の電池管理システム(BMS)を無線化するソリューションを発表した(図1)。TIによれば、典型的なEVでは、100近い電池セルが直列に接続され、何mも何kgもあるBMS用の配線が空間を占有している。これらはEVの設計をより複雑にし、EVの1充電当たりの航続距離や信頼性、コストの足を引っ張る要素となっている。

図1 ワイヤレスBMSのイメージ
図1 ワイヤレスBMSのイメージ
(出所:Texas Instruments)
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 BMSの無線化は、これらの要素にプラスに働く。例えば、配線を減らすことで車両の軽量化が可能になり、航続距離の延長が期待できる。また、振動や湿度などの影響を受けやすい配線やコネクターといった機械部品を削減できることから、保守作業の軽減や信頼性の向上につなげられる可能性がある。加えて、配線材やコネクター、絶縁部品を削減できることから、低コスト化も期待できる。

 こうした利点からTIが提案するのが、BMSを無線化するワイヤレスBMS(WBMS)のソリューションである。2.4GHzの無線通信に対応したマイコン(MCU)「CC2662R-Q1」を使って、複数の電池監視用IC「BQ79616-Q1」と電池制御用MCUの間の通信を無線化するというものである(図2)。BQ79616-Q1は、最大16個の電池セルの電圧や温度を測定可能であり、同ソリューションでは、32セル、48セル、60セルといった様々な構成の電池モジュールに対応できるとしている。

図2 電池監視用IC「BQ79616-Q1」
図2 電池監視用IC「BQ79616-Q1」
同じパッケージタイプで異なるチャネルのオプションを用意。ピン互換性を備え、ソフトウエアとハードウエアを再利用しやすい点も特徴という。(出所:Texas Instruments)
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 同社は、このソリューションを活用してワイヤレスBMSを迅速に構築するための開発キット「CC2662RQ1-EVM-WBMS」を用意している(図3)。9枚のボードから成るもので、1枚が電池制御用MCU側に置く1次ノード向け、残りが2次ノード向けという。いずれのボードも事前にプログラミング済みとしている。

図3 開発キット「CC2662RQ1-EVM-WBMS」
図3 開発キット「CC2662RQ1-EVM-WBMS」
9枚のボードから成る。1枚が1次ノード向け。残りが2次ノード向け。(出所:Texas Instruments)
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