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 今、カプセル内視鏡がひそかに熱い。新規参入する企業が現れたり、大腸検査で保険適用できる患者の対象が広がったりしているのだ。新規参入した化学品商社の長瀬産業は、米CapsoVision(カプソビジョン)が開発した小腸用のカプセル内視鏡の薬事承認を日本で取得し、2021年1月に販売を始めた。複数の小型カメラを搭載しており、360度撮影で小腸を検査する。小腸用カプセル内視鏡は日本で2社が販売しているが、360度撮影するものは初めて。小腸内の死角を減らすことで、精度の高い検査につなげる。

直径1.1センチメートル、長さ約3センチメートルのCapsoCam Plusカプセル内視鏡
直径1.1センチメートル、長さ約3センチメートルのCapsoCam Plusカプセル内視鏡
(出所:長瀬産業)
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 カプセル内視鏡は小腸や大腸など消化管を検査する小型の撮像装置で、患者が飲み込んで腸に到達すると、腸の収縮運動に合わせて進みながら数時間かけて撮影する。撮影した画像は無線で外部に送信するか、カプセル内のメモリーに記録する。

 実用化が先行し利用が進んでいるのは小腸用だ。従来の小腸用カプセル内視鏡は広角カメラをカプセルの先端部分に1つ搭載しているが、カプソビジョンの「CapsoCam Plusカプセル内視鏡」は4つの小型カメラをカプセルの壁面に搭載。カプセル内視鏡が進行方向を変える際に死角となりやすい小腸内側の画像も撮影しやすいとしている。カプセルの大きさは、直径1.1センチメートル、長さ約3センチメートルになる。

360度パノラマ撮影で病変の見逃しを防ぐ
360度パノラマ撮影で病変の見逃しを防ぐ
(出所:長瀬産業)
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 撮影したデータを無線で送信する製品が多いなかで、CapsoCam Plusカプセル内視鏡は本体のフラッシュメモリーに保存する。無線送信しないためバッテリーの消費が少なくてすみ、撮影時間をより長く確保できる。「高齢者は小腸の動きが活発でなく、カプセル内視鏡が腸内を進みにくい。撮影に時間を要すことが多いため、バッテリー消費の抑制は重要だ」と長瀬産業のライフ&ヘルスケア製品事業部 事業推進室 メディカル事業推進チーム担当課長である亀田直誉氏は説明する。CapsoCam Plusカプセル内視鏡は小腸内で最大約15時間の撮影が可能という。

 画像を本体に保存することは患者の負担軽減にもつながる。患者はデータ受信機を装着する必要がなく、検査中も外出できる。データを送信するタイプの場合、電波干渉を防ぐ目的で検査中の外出が制限されるケースが多かった。